ナスダック、暗号資産カストディサービス開始へ

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 ナスダックは、機関投資家の関心と暗号資産(仮想通貨)サービス需要の高まりに応えるため、待望の暗号資産カストディサービスを第2四半期末までに開始することを目指している。

 ナスダック・デジタル・アセットの副社長兼責任者であるアイラ・アウエルバッハ氏は24日のブルームバーグとのインタビューで、「すべての必要な技術インフラと、規制当局の承認を得るために動いている」と語った。

 ナスダックは、米ニューヨーク州金融サービス局に、新規事業を監督することに目的を限定した信託会社免許を申請しているところだという。

 機関投資家が暗号資産業界に安全に足を踏み入れる方法を提供するこの新たな暗号資産カストディサービスは、世界的な証券市場が暗号資産分野に大きく進出する機会となる。

 報じられている通り、ナスダックは22年9月、カストディサービスの開始を目指していることを明らかにし、アウエルバッハ氏を同社新部門ナスダック・デジタル・アセットの監督者に任命した。

 注目すべきは、ナスダック・デジタル・アセットがまず、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)のカストディサービスを提供する予定であるということ。その後は取引約定サービスや流動性サービスも行うとしている。

 「カストディは基礎的なものだ。カストディを基盤に、他のソリューションの開発、取引約定サービスや流動性サービスの提供を始めることができ、新たな市場への対応方法も考えることができる」とコーエン氏は当時述べていた。

●暗号資産への機関投資家の関心は依然高く

 このナスダックの動きの背景には、暗号資産に対する伝統金融機関の関心が高まっていることがある。

 BNYメロンによる10月の調査で、91%の銀行の機関投資家がデジタル資産投資に関心を持っていることが明らかとなった。また、97%が「トークン化は資産管理に変革をもたらすことができる、業界にとって良いこと」であると回答した。

 さらに、70%の機関投資家顧客が、カストディと取引約定などのサービスが認可を受け信頼される機関によって提供されるようになれば、デジタル資産活動を増やすと回答。88%が22年の市場暴落にもかかわらず、この計画を進めていると答えた。

 最近、1週間のうちに米大手銀行3社が破たんし、米規制当局の介入によって銀行危機を回避したこともあり、ビットコインや暗号資産市場全体が代替銀行システムとして再び注目を浴びている。

 アーク・インベストのアナリストであるヤシン・エルマンディラ氏は、今回の上昇はビットコインの「安全資産」としての価値の表れであると主張している。最近のビットコインの動きは、規制圧力の高まりがビットコインに与える影響はないということを示していると、同氏は同社の週刊ニュースレターの中で論じている。

●ナスダック、コインベースとバイナンスの直接の競争相手となる

 また、ナスダックによる発表は、FTXなど複数の大手暗号資産取引所が暗号資産暴落の中で破たんし、コインベースやバイナンスが取り締まりの強化に直面している中で行われた。

 米規制当局は23年初め、バイナンスと取引を行う米国のヘッジファンドおよびマーケットメーカーに召喚状を送り、同取引所との通信記録を提出するよう求めた。

 さらに、エリザベス・ウォーレン氏、クリス・バン・ホレン氏、ロジャー・マーシャル氏の3人の米上院議員は最近、「違法な事業活動について透明性を提供する」ようバイナンスに要請。バイナンスが「違法な金融活動の温床」となっていると非難した。

 一方、SEC(証券取引委員会)も、コインベースにいわゆる「ウェルズ通知」を通達。一部の上場暗号資産、ステーキングサービス「コインベース・アーン」、「コインベース・プライム」、「コインベース・ウォレット」に関連する法的処置をちらつかせた。

 これらのことから、ナスダックは取引会社やプロの投資家に信頼できるデジタル資産を提供する絶好の機会を得たと言える。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/nasdaq-launch-crypto-custody-service-meet-growing-market-demand-heres-what-you-need-know.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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