元日銀審議委員が年内の追加利上げを否定、ビットコインは5万9000ドル割れ

 元日銀審議委員の桜井真氏が、ビットコイン(BTC)の急落を引き起こした日本の利上げを受けて、年内の追加利上げはありそうもないと述べた。

 ビットコインは12日に1BTC=5万9000ドルを下回った。

 ジャパン・タイムズによると、桜井真氏は取材に対し、「少なくとも年内は追加利上げはできないだろう。25年3月までに1度利上げできるかどうか半々だ」と述べた。

 日銀副総裁の内田眞一氏も7日、円安と世界的な金融不安を理由に、日本は低金利を継続すると認めた。

 当初、利上げの決定はインフレを緩和し日本経済を安定化させるためのものだった。しかし、桜井氏の発言は、今後は国内外の市場への影響を考慮したより慎重なアプローチを取ることを示唆している。

 グリークス・ドットライブのアナリストによると、日銀の最近のハト派的コメントも暗号資産市場に自信を与えており、ネガティブな市場ニュースが続いているにもかかわらず、今週のセンチメントは比較的楽観的になっている。

●利上げによる市場混乱

 政策金利を0-0.1%から0.25%に引き上げるという7月31日の決定を受けて市場が混乱する中、日本の中央銀行のコミュニケーションに厳しい視線が注がれている。

 日本銀行による最近の利上げは、いくつかの形で世界経済に影響を与えた。金利上昇は通常企業や消費者の借入コストの増加に繋がるため、国内的には経済成長を減速させる可能性がある金融政策の転換を示唆している。この動きは、インフレ圧力に対処し日本円を安定させようとする、日本の努力も示している。

 世界的には、日本の利上げは金融市場のボラティリティの一因となった。投資家はこのような変化に対しポートフォリオの調整で対応することが多く、それが通貨や資産価格の変動に繋がる場合がある。世界有数の経済規模を誇る日本の金融政策は、世界の資本フローと投資家心理に影響を与えている。

●日本の低金利でビットコインの魅力が増大

 日本銀行が低迷する経済を支えるために超低金利を維持した場合、低金利環境はビットコインや他の高利回り投資をより魅力的なものにする。例えば、金利が低い場合には投資家は安価に資金を借り入れ、ビットコインのような高利回りの資産に投資できる。アルサラン・バット氏の報告によると、この戦略は「キャリー・トレード」と呼ばれている。

 FRB(米連邦準備制度理事会)などの他の主要中央銀行がさらに引き締めを行えば、暗号資産や他の投機的投資への圧力となる。ビットコインの下落は、規制上の課題やボラティリティの高まりに直面している暗号資産市場の広範なトレンドの一部でもある。

●9月に米国で利上げか?

 FRBの次の会合は9月に行われる。アナリストらは、FRBが金利を5.25-5.50%の目標値に据え置くと予想している。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、FRBのジェローム・パウエル議長は、インフレ率が下落する兆候がある中で労働市場の弱体化を避けるための新たな段階に近づいており、9月の会合で利下げを行う可能性があると述べた。

 グリークス・ドットライブは、「9月の利下げの可能性が上昇し続けており、市場に一定の自信を与えている」と記した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/former-japan-exec-rules-out-another-rate-hike-this-year-bitcoin-dips-below-59k.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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