パンテラがテレグラム関連のトンコインに1億ドル超を投入、同社最大の投資に

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 世界有数の暗号資産(仮想通貨)ベンチャー・キャピタル企業であるパンテラが、24年にテレグラム関連のトンコイン(TON)に1億ドル超を投資したと伝えられた。これは、同社の過去最大の投資となっている。

 ブルームバーグは29日、パンテラが市場価格から40%引きでトンコインを購入したと伝えた。取引が公になった5月の平均価格は1TON=6.32ドルだったため、この投資は依然として利益を出している。

 しかし、パンテラはトンコインを1年間は保有しなければならず、その後数年間をかけて一部を売却できる。

 トンコインはテレグラムとどのような関係にあるのか?メッセージング・サービスのテレグラムは、トンコインのTONブロックチェーンをアプリに組み込み、利用者がブロックチェーン機能にアクセスできるようにした。その結果、利用者はテレグラム内で直接トンコインを売買し取引できる。

 さらに、ウォレットの統合により、利用者はアプリ内で取引を行ったり、他人にチップを送ったり、追加のブロックチェーン活動を行うことができる。

●パンテラ、テレグラムのプライバシー重視への人気を活かしたトンコインの普及の可能性を喧伝

 パンテラのパートナーであるライアン・バーニー氏は5月、「トンコインはテレグラム・ネットワーク内で広範囲に利用されており、同コインには暗号資産を普及させる力がある」と考えているため、同社はトンコインに投資したと説明した。

 同氏は、テレグラムの広大なユーザー層を活かし、トンコインが最大規模の暗号資産ネットワークになることを想定していると付け加えた。

 また、バーニー氏は、テレグラムは「ユーザー・データを販売しておらず、その人気は真にプライバシーへの約束によるものだ」と指摘した。

 アモニカ・ブランズやミラナ・ベンチャーズを含む他の十数社もトンコインに投資している。

●フランス当局、複数の罪でテレグラムのドゥーロフCEOを逮捕

 しかし、テレグラムはフランスで相当の法的捜査を受けている。フランス当局はパベル・ドゥーロフCEO(最高経営責任者)を逮捕し、児童ポルノ、人身売買、資金洗浄、そして組織犯罪の共謀などの複数の罪で起訴している。ドゥーロフ氏はさらに、法的要請に応じず暗号サービス登録を怠った罪にも直面している。

 ドゥーロフ氏は500万ユーロで保釈され、フランスからの出国を禁止された。

 24日のドゥーロフ氏逮捕後、トンコインは約20%急落したが、その後損失の一部を取り戻した。DeFiラマによると、トンコインのTVL(トータル・バリュー・ロックド)は、7月の7億1400万ドルから3320万ドルに減少した。

●トンコイン投資家、テレグラムの先行きを懸念

 ブルームバーグによると、トンコインに投資しているベンチャー・キャピタリストは現在、ドゥーロフ氏に対するフランスの法的措置がテレグラムのユーザー層に与える影響を評価している。彼らは少なくとも1年間は持分を保有し続けることを約束していた。

 ドゥーロフ氏の逮捕によって、先行きへの懸念が生じている。テレグラムを指揮し同エコシステムにトンコインを統合するために、同氏のリーダーシップは不可欠だった。同氏が現在直面している法的問題は、テレグラムの事業を混乱させ、トンコインの利用と普及に影響を与える可能性がある。

 今後については意見が分かれている。トンコインなどのブロックチェーン・プロジェクトは、その分散型の性質から、従来型の事業と比べると一人の人物の関与に大きくは依存しない可能性があると主張する人々もいる。トンコインのコミュニティとそのサポーターが活動を継続すれば、同プロジェクトはこの嵐を乗り切ることができるかもしれない。しかし、規制措置やテレグラムの戦略転換のリスクは未だ懸念事項だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/pantera-telegram-toncoin-100m-investment-crypto-venture-capital.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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