RBA、リテール型より経済効果の大きいホールセール型CBDCを優先

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 RBA(豪準備銀行)は、ホールセール型CBDC(中央銀行デジタル通貨)の開発に優先的に取り組むと決定した。ホールセール型CBDCはリテール型CBDCよりも経済効果が大きいためだという。

 RBAのブラッド・ジョーンズ総裁補佐は会見で、「プロジェクト・アケイシア」の立ち上げを発表した。このプロジェクトは、デジタル通貨を模索することを目的とした、3年間にわたる財務省との共同プロジェクトである。

 このプロジェクトは、23年に行われたCBDC試験運用に基づいて進められる。トークン化された通貨と新たな決済システムを用いて、効率性、透明性、ホールセール市場の回復力を向上させることに重点を置く。ジョーンズ氏は、将来的には国境を超えた適用について地域の中央銀行と協力することになるかもしれないと述べた。

●RBA、CBDCに関するコンサルテーションペーパーを10月に発表

 RBAとその研究パートナーは10月、業界からの意見を募集するためにコンサルテーションペーパーを発表する。

 ジョーンズ氏はまた、産業界と学会のためのCBDCアドバイザリーフォーラムの創設も発表した。これらのフォーラムは25年初頭に実施される見通しだ。フォーラムでは、リテール型CBDCとホールセール型CBDCの課題を取り上げる予定だという。

 ジョーンズ氏は、「私たちはここ数年、CBDCのさまざまな問題に関して、産業界や学会との関わりから大きな恩恵を受けてきた。このようなフォーラムは、RBAが近年、金融政策問題についてさまざまな見解を聞くために業界や学会のエコノミストを招いて開催してきたフォーラムと同様の役割を果たすことになるだろう」と述べた。

●RBA、25年にデジタル通貨のサンドボックス規制改革を進展へ

 25年、23年のCBDC試験運用からの知見を基にした3つ目のイニシアチブが実施される。その中で、デジタル通貨やインフラなどに関する金融イノベーションための規制サンドボックス改革が進められることになる。このサンドボックスは、未認可の事業体が新たな金融商品を実験することを一時的に許可するものであるが、業界は既存のサンドボックスには改善の余地があると指摘している。

 財務省は政府と協力し、独立した審査に基づいて評価し、場合によって変更を検討することになる。

 さらに、一般利用を目的としたリテール型CBDCの導入は、政治的・経済的に大きな課題を引き起こす可能性があり、オーストラリアの金融システムを塗り替える可能性があるという。最終的にはオーストラリア政府がリテール型CBDCの導入を決定することになるとジェームズ氏は述べた。

 太平洋評議会によると、現在、世界経済の98%を占める134カ国がCBDCを検討している。世界最大のCBDCパイロットである中国のデジタル人民元は、その先頭を走っている。

 24年6月までに、デジタル人民元の取引量は17の地域で9860万ドルに達し、教育、医療、観光などの分野に影響を与えている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/australia-cbdc-wholesale-retail-central-bank-project-acacia/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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