Bitdeer、台湾TSMCと提携 ビットコインの次世代マイニングチップを展開へ
●次世代チップ「SEAL02」搭載へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング企業Bitdeer(ビットディア)は26日、設計が完了した最新のマイニングチップ「SEAL02」のテストに成功したと発表した。
同社の次世代マイニングマシン「SEALMINER A2」に搭載され、2024年11月に量産開始する予定だ。
この「SEAL02」は、最大手の半導体製造企業TSMCと提携して、高度なプロセスノード技術を使用している。テストでは、低電圧、超省電力モードで動作しているときに13.5 J/TH(ジュール/テラハッシュ)という優れた電力効率比が示された。
なお、J/THは、ハッシュレート(ビットコインの採掘性能)あたりに消費されるエネルギーを示す指標であり、この値が小さいほど効率的だ。テラハッシュは、1秒間に1兆回の計算を行う能力のことである。
BitdeerのLinghui Kong最高ビジネス責任者は、次のようにコメントした。
"当社のロードマップで設定していた「SEALMINER」の電力効率目標を達成できたことを嬉しく思う。
当社が研究開発へ継続的に取り組むことで、革新的で優れたソリューションが可能になり、効率性と透明性の新標準が設定され、広くマイニングエコシステムにも利益をもたらすだろう。"
現在ビットディアは、さらに新たなチップとして「SEAL03」の研究開発作業を行っているところだ。6月に発表されたロードマップでは、エネルギー効率が10 J/THになると予想され、これを搭載したマイニングマシンを2025年4~6月を目途に量産・出荷する計画だ。
さらにその後、エネルギー効率を5 J/THにまで向上させた「SEAL04」も2025年にリリース予定としている。
ビットディアは、ヒマラヤ山脈の仏教王国ブータンにも、ビットコイン採掘で協力しているところだ。
●AI向けプラットフォームもリリース
ビットディアは8月、AI(人工知能)トレーニングプラットフォームを発表している。
NVIDIAの技術やインフラを利用してクラウドサービスとAIトレーニングプラットフォームの両方を提供するアジア初のプロバイダーになると述べた。
ユーザーはH100 GPU、DDNストレージ、InfiniBandネットワークなどNVIDIA DGX SuperPODの高性能AIインフラを利用することが可能だ。また、さまざまなサーバーで複数のGPUを同時に利用することで、AI・機械学習トレーニングプロセスの効率性や規模を向上するとされる。
4月に迎えたビットコイン半減期や近年のAI産業興隆などを背景にして、様々な仮想通貨マイニング企業が、AI向けプラットフォームの提供にもビジネスチャンスを見出しているところだ。
(イメージ写真提供:123RF)
CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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