米最高裁、シルクロードから押収した40億ドル超のビットコインに関する訴訟を却下
米国の最高裁判所が、ダークウェブ・マーケットプレイスのシルクロードから押収した6万9370ビットコイン(BTC)(43.8億ドル相当)に関する訴訟を審理しないことを決定した。
このビットコインの所有権を主張しているバトル・ボーン・インベストメンツが、最高裁に審理を求めた。
同社は、破産財団を通じ、押収されたビットコインの権利を取得したと主張している。
しかし、最高裁がこれを却下したことで、この暗号資産(仮想通貨)に関する政府の管理権についてはほぼ争われないこととなった。
この決定により、米政府がこの大量のビットコインを売却する道も開けた。
●バトル・ボーン、破産債権を通じてビットコインを取得と主張
この法的争いは、13年にシルクロードが閉鎖した後、破産債権を通じてビットコインを取得したとバトル・ボーン・インベストメントが主張したことで始まった。
同社は、破産手続きの債務者であるレイモンド・ンガン氏が、シルクロードから数十億ドル相当のビットコインを違法に持ち出した謎の「人物X」であると主張した。
これらの主張にも関わらず、裁判所は同社に不利な判決を出し続けた。
地方裁判所は22年、バトル・ボーンはビットコインに対する適法な請求権を有していないとの判決を下した。
翌23年には、サンフランシスコ高等裁判所がこの判決を支持し、同社の債権は法的に有効ではないと結論付けた。
これらの敗北の末、最高裁判所が訴訟を却下したことで、バトル・ボーンの法的な道筋は事実上絶たれた。
年間7000件超の上訴に対し、通常100-150件しか審理しない最高裁判所は、この件をこれ以上追求しないことを選択した。
この決定により、政府が民事没収訴訟に勝訴し、押収したビットコインの売却が進む可能性が大幅に高まった。
米政府は既に、シルクロード関連のビットコインの一部を移動し始めている。
7月29日には、約20億ドル相当の暗号資産が移転され、コインベース・プライムをカストディアンとして連邦保安局によって管理された。
政府によるこうした大量のビットコインの売却は、市場を変動させることが知られている。
例えば、6月と7月には、ドイツ政府が31.5億ドル超に相当する5万ビットコイン近くを売却し、市場が大きく変動した。
●トランプ氏、戦略的なビットコイン備蓄を提唱
残りのビットコインについて米国がどう動くかはまだ不透明だ。
注目すべきことに、共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は、次の選挙に勝利した場合、「戦略的ビットコイン備蓄」を行うことを示唆している。
一方、民主党候補のカマラ・ハリス氏は、押収した暗号資産の取扱いに対する姿勢をまだ表明していない。
ロス・ウルブリヒト氏が11年に設立したシルクロードは、閉鎖されるまで違法な取引を促進していたことで知られている。
ウルブリヒト氏は現在、マネーロンダリングや薬物流通などの罪で仮釈放なしの終身刑に服している。
トランプ氏は、大統領に選ばれればウルブリヒト氏の減刑も検討するとしている。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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