暗号資産投資家はドルコスト平均法を好む、クラーケンの調査で判明

　暗号資産（仮想通貨）取引所クラーケンの最近の調査で、暗号資産投資家の多くがデジタル資産購入の際にＤＣＡ（ドルコスト平均法）を好んでいることが明らかになった。

　１１０９人が回答し７日に公開されたこの調査では、投資家の８３．５％がＤＣＡを使用したことがあり、５９％が依然としてＤＣＡを主な投資方法としていることが明らかになった。

　ＤＣＡとは、値動きに関係なく定期的にドル建てで一定額の暗号資産を購入するという戦略だ。

●ＤＣＡ、価格変動の影響の最小化に寄与

　クラーケンの調査によると、この手法は短期的な価格変動の影響を最小化し、感情的な意思決定を抑える役に立つという。これは、不安定な暗号資産の世界では重要な要素だ。

　回答者の４６％が、市場の変動をヘッジできることがＤＣＡの主なメリットだと考えていることが、この調査で明らかになった。

　回答者の約３分の１が、一貫した投資習慣を育む点でＤＣＡを評価しており、１２％が取引上の決定に関する感情的影響を抑える役割を強調した。

　ＤＣＡの魅力は、所得水準によって異なっている。

　年収５万ドル以下の投資家にとっては、規律ある投資習慣の推進が主なメリットだった。

　一方、年収５万ドル超、特に１７万５０００－１９万９０００ドルの範囲の投資家は、市場変動の影響を軽減できることを重視した。

　この所得階層の投資家の７０％近くが、このことを同戦略の最も重要なメリットだと考えていた。

　ＤＣＡが広く普及しているにもかかわらず、市場下落時にこの手法を維持している投資家はわずか約８％だった。

　この調査によると、他の戦略を使う投資家は、市場低迷時に方針を維持する割合が高かった。

　「投資家の収入が多いほど、自分の投資戦略に自信を持っていることが、調査で明らかになった」とクラーケンの調査員は指摘した。

　特に年収１０万ドル超の高所得の投資家は、市場変動時にも自身の取引計画を固守する能力が高かった。

　この集団の約６３％が、不安定な時期に戦略を維持する能力が「とても高い」と回答した。

●若い投資家はよりリスクの高い戦略をとる傾向

　この調査では、年齢によって好む戦略に違いがあることも明らかになった。

　１８－２９歳の若い投資家は、よりリスクの高い戦略をとる傾向にあり、約半数が市場のタイミングを計ろうとしていた。

　一方、４５歳以上の年配の投資家は暗号資産市場をより注視しており、３分の２が若年層よりも頻繁に市場の動きを追跡していた。

　クラーケンは９月、欧州の拠点を強化するため、オランダで最古参の暗号資産仲買会社の１社であるＢＣＭ（コイン・ミースターＢ．Ｖ．）を買収した。

　クラーケンは過去２年間、欧州で積極的に事業を拡大してきた。

　同取引所は現在、ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギー、アイルランド、フランス、ポーランド、そしてオランダを含む複数の国々で、直接あるいは提携を通じてＶＡＳＰ（暗号資産サービス・プロバイダー）サービスを提供している。

　クラーケンは最近、連邦証券法に違反したというＳＥＣ（米証券取引委員会）の申立てに反論した。

　ＳＥＣは、クラーケンが提供する複数のデジタル資産は未登録証券に分類されるはずだと主張している。

　クラーケンは反論の中でこれらの告発を否定し、問題の資産は証券とみなすための法的要件を満たしていないと主張した。

（イメージ写真提供：１２３ＲＦ）

This story originally appeared on cryptonews.com.