カナダのTDバンク、暗号資産取引に関わる「疑わしい」活動を開示していないとFinCENが指摘

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 FinCEN(フィンセン、金融犯罪取締ネットワーク)の新たな報告書は、カナダを拠点とするTDバンクが、2つの国際暗号資産取引所に関わる「疑わしい活動」を公表していなかったとしている。

●暗号資産取引所がTDバンクと関与、FinCEN報告書が示す

 10月10日の報告書によると、TDバンクは2023年7月から24年4月にかけて、匿名の金融会社「顧客グループC」のために2000件以上の取引を処理し、その価値は10億ドルを超えていた。

 これらの資金の90%は英国に拠点を置く暗号資産取引所からのもので、送金先の60%はデジタル資産サービスを提供するコロンビアの金融機関であった。

 「活動パターンから、顧客グループCは毎月平均1億ドル以上の電信送金を行い、そのほとんどが明らかな第三者による暗号資産取引を促進し、コロンビア、中国、中東諸国を含むリスクの高い業界や管轄区域に関与していたことが明らかになった」とFinCENは述べている。

 「しかし、これは顧客グループCの受け入れ文書から大きく逸脱しており、国境を越えた取引が処理される対象国として、コロンビアや中国を特定していなかった。

 FinCENはさらに、顧客グループCが「資金の目的、元締めと出所がTDバンクにとって不明であった」国際的な暗号資産交換プラットフォームから、6億5000万ドルを取得したと述べている。

「出所不明の資金がこれほど大量にあったにもかかわらず、TDバンクは、リスクの高いコロンビアの司法管轄区で、暗号資産サービスを提供する金融機関に対し、4億2000万ドル以上の取引を仲介するなど、顧客グループCのために取引を処理し続けた」と報告書は続けた。

 デジタル資産をめぐる規制の枠組みがないにもかかわらず、FinCENは「同行の暗号資産に関する限定的で高度な文書化された方針は、特定の追加的な管理と監視の必要性を示唆していた」と指摘した。

 同行はその後、「顧客グループCに関する複数の法執行機関からの問い合わせ」を受けるまで、この疑わしい活動を「自発的に報告しなかった」。

●TDバンクに罰金

 この報道は、TDバンクが資金洗浄防止規定違反を認めてから約1週間後のことである。

 TDバンクは連邦規制当局との和解の一環として、30億ドルの罰金を支払うことに同意した。

 「TDバンクは、法的義務に従うことよりも、成長と便宜性を優先した」と、ニュージャージー州のフィリップ・R・セリンジャー連邦検事は10月10日の声明で述べた。

 「その結果、ACH取引(銀行口座間で電子的に送金する方法)、小切手、高リスク国、P2P取引(中心的な機関や装置を持たず、末端の端末(ピア)同士が直接データをやり取りする仕組み)を含む何兆ドルもの取引の監視を故意に怠り、国際的な麻薬密売人を含む資金洗浄ネットワークから何億ドルもの資金が銀行を経由することを許してしまった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/td-group-did-not-disclose-suspicious-crypto-activity-fincen-says/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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