JPモルガン、数兆ドルのトークン化資産をDeFiへ

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 JPモルガン・チェースは、DeFi(分散型金融)の開発者が暗号資産(仮想通貨)以外の資産から利回りを得ることができる方法を模索してきたが、その解決策を見出したようだ。同行はテキサス州オースティンで開催されたコインデスクの「コンセンサス2022」カンファレンスで、同行のブロックチェーン事業部門「オニキス(Onyx)」が、数兆ドル規模のトークン化資産をDeFiに取り込むことを目指していると明らかにした。

 オニキス・デジタル・アセット責任者のタイロン・ロバン氏は、次のように述べた。

 「いずれ、例えば米国債やMMF(マネーマーケットファンド)などをトークン化し、DeFiの担保として利用する可能性があると考えている。最終的な目標は、数兆ドル規模の資産をDeFiに取り込むことで、そうすればこの新しいメカニズムを、機関投資家の資産の規模で取引・借入・貸付に利用することができる」

 オニキス・デジタル・アセットは、金融サービスプロバイダーが自社の手元資金を使うことなく、さまざまな種類の資産を交換できるようにするプラットフォーム。同社の戦略は、2つのパーツに分けられる。1つ目は、ブロックチェーンを担保決済に活用すること。同社は5月に、担保資産を摩擦なく移動することに成功している。この取引には、ブラックロックのMMFの株式(現金に投資する投資信託の一種)と、流動性の高い短期債務商品をトークン化したものが含まれていた。

 2つ目は、DBS銀行やマーケットノードと共に「プロジェクト・ガーディアン」に参加すること。このプロジェクトは、トークン化された債券と預金で構成されたパーミッションド流動性プールを使い、機関投資家向けのDeFiに取り組んでいる。

 ロバン氏によると、JPモルガンはDeFiの可能性を強く信じている。それに加え、同行はブロックチェーンとデジタル資産の観点から、何年も前からデジタルIDを調査してきた。同行の目標は、KYC(顧客確認)ベースのアクセスを可能にするIDレイヤーを置くことで、そうなれば、プロトコルは行っていることに多くの変更を加えることなく、「自然と」機関投資家をサポートできるようになるという。

 ロバン氏は、次のように説明している。

 「KYCベースのアクセスを可能にするIDレイヤーをDeFiの前に置くことができれば、DeFiプロトコルは現在行っていることに必ずしも変更を加えることなく、機関投資家を『自然と』サポートできるはずだ。個別にパーミッションド・プールを立ち上げ、既存のプロトコルに変更を加えなければいけないのか?それとも独創的な方法で行うかだ」

 JPモルガンは、DeFi製品を統合することで、機関投資家がデジタル資産の世界とより深く関わることができると考えている。オニキスプラットフォームの適格基準を、米国債券市場以外にも拡大したいと思っている、と同行は述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/jpmorgan-tokenized-assets-defi/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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