バイナンス、安定性向上のためユーザーの緊急基金資産をUSDCに変換

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 バイナンスは重要な戦略的動きとして、ユーザー向けの緊急基金に保有されている資産プール全体を、サークル・インターネット・フィナンシャルが発行するステーブルコインUSDコイン(USDC)に変換した。

 バイナンスの発表によると、極端な状況下における顧客のためのセーフティネットとして18年に設立されたSAFU(ユーザーのための資産保険基金)は、USDCのみで構成されることになった。

 バイナンスアカデミーの説明によると、SAFUはこれまで、TrueUSD(TUSD)、バイナンスコイン(BNB)、ビットコイン(BTC)、テザー(USDT)など、さまざまな資産が混在していた。

●新たなバイナンスCEOが戦略を転換
 
 今回の動きは、リチャード・リチャード・テン新CEO(最高経営責任者)指導の下での戦略的シフトを反映するものだ。同氏は、23年11月に43億ドルの罰金を支払うことになった米国機関との司法取引の後、チャンポン・ジャオ(CZ)氏の後を引き継いでいた。

 テン氏はその後、バイナンスのベンチャーキャピタル部門の独立を監督し、同プラットフォームへのトークン上場に対してより厳しい要件を導入した。

 SAFUは通常10億ドルに維持されているが、過去にその価値は市場の動きに応じて変動したことがある。

 バイナンスの発表では、USDCのような信頼性と透明性が高く、監査済みで、米ドルに連動する価格水準を維持するよう設計されたステーブルコインを使用することの利点が強調されている。

 USDCへの変換により、ファンドの信頼性と安定性が強化され、確実に10億ドルを維持することができる。

 ファンドの価値は、一般公開されたブロックチェーンのアドレスを通じてリアルタイムで確認することができ、プロセスに透明性が確保されている。

 シンガポールを拠点とするコンプライアンス・コンサルタント会社HMのパートナーであるクリス・ホーランド氏は、この決定を称賛し、「100%USDCの構成は、米ドルベースでファンドの価値に確実性を与える」と述べた。

 USDCの安定性と信頼性を活用することで、バイナンスは緊急基金を強化し、ユーザーの信頼を高めることを目指している。

●バイナンス、取締役会を設置

 4月上旬、バイナンスは23年のマネーロンダリング防止規定および制裁違反による米国での告発に対する有罪答弁の後、そのイメージを再構築するため、初めて取締役会を設置した。

 元UAE(アラブ首長国連邦)駐バルバドス大使であるガブリエル・エイべド氏が7名から成る取締役会の会長に任命された。

 残りの取締役会メンバーには、リチャード・テンCEOのほか、ヘイナ・チェン氏、ジンカイ・フー氏、リライ・ワン氏らが名を連ねている。

 社外メンバーは、ゴジョ・アンド・カンパニーのマネージングパートナーであるアルノー・ベンチュラ氏、ベイビュー・アクイジション・コーポレーションCEOのシン・ワン氏である。

 取締役会の設立と会長の任命は、バイナンスが長年本社を持たずに運営してきた後、より従来型の企業構造を採用するために取った最初のステップのひとつである。

 同社は2月、米国判事によって承認された司法取引の一環として、43億ドルを支払うことに合意した。

 バイナンスの創設者であるジャオ氏も、マネーロンダリング防止規定および制裁違反を認め、4月の判決を待っている。

 3月、バイナンスとジャオ氏、およびその他経営陣を提訴しようとした投資家グループは、訴訟を継続する新たなチャンスを与えられた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-converts-user-emergency-fund-assets-into-usdc.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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