ブロックチェーンでB2B決済を強化するには
以前にも増して相互につながり合うデジタル経済において、シームレスなB2B(企業間取引)決済ソリューションの必要性は極めて重要である。革新的で目的別のソリューションは、財務業務の最適化、キャッシュフローの改善、パートナーやサプライヤーとの関係構築に役立てることができる。
31年までに317億1000万ドルに達すると予想される世界のB2B決済市場では、伝統的金融機関、ビザやマスターカードのようなネットワーク大手、革新的な技術を持つ新興企業などのサービスプロバイダーが、それぞれ最新のソリューションを提供している。
多くの企業がまだ十分なサービスを受けておらず、時代遅れのツールやプロセスに苦慮している一方、先進技術ソリューションは世界のB2B決済市場のギャップを埋める可能性を秘めている。
●時代遅れのB2B決済ソリューション
B2B決済ソリューションはグローバルな商取引に不可欠だが、非効率性、遅延、高コストが依然として業界標準となっている。最初から最後まで、決済業務は手作業のワークフロー、決済時間の長さ、透明性の欠如に悩まされ、業界全体の不満と収益の損失につながっている。
手作業で作成された請求書、階層的な承認構造、分離されたERPシステムと決済ゲートウェイなど、従来のソリューションでは、即時性、手頃な価格、信頼性といった現代の経営者の要求を満たすことができないことが明らかになりつつある。一方、グローバルサプライチェーンの台頭と混乱は、B2B国際決済の複雑さとリスクを増大させ、問題を深刻化させている。
こうした課題に対処するため、企業はスピード、セキュリティ、透明性、効率性を提供する決済ソリューションを求めており、B2B決済テクノロジーもそれに応じる形で進化している。AI(人工知能)からIoT(モノのインターネット)に至るまで、新たなイノベーションはB2B決済体験自体を自動化、合理化、強化することを目指している。
●テクノロジーを駆使したB2B決済
従来の振込送金や、現金や小切手のような紙ベースの時代は終わった。テクノロジーの進歩は、B2B決済に対する企業の取り組み方をより良いものに変えている。
ソフトウェアシステム間のシームレスな統合により、請求書の発行や照合が自動化され、財務の透明性が向上している。電子送金やバーチャルカードなどのデジタル決済手段は、業務を合理化し、経営者のリスクを軽減している。また、AIを活用したアルゴリズムにより、不正行為の検出と防止が強化された。
こうしたシフトはすでにグローバルなB2B決済の効率性、透明性、柔軟性の向上においてすでに大きな進歩を遂げているが、ブロックチェーンの導入はゲームチェンジャーとなるだろう。実際、23年の「ブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)を使った決済に関する調査」によると、B2B決済はブロックチェーンのユースケースとして最も期待されており、暗号資産を積極的に模索、テスト、利用している企業では利用全体の3分の1以上を占めている。
ブロックチェーン技術は、仲介者を必要とせずに安全で透明な取引を可能にする分散的で変更不可能な台帳を提供する。これによりほぼリアルタイムの決済が可能になり、摩擦や詐欺が減少し、卓越したコスト削減が実現し、支払いのトレーサビリティが向上する。これは、歴史的に時間がかかり、コストがかかり、不透明なシステムであったクロスボーダー決済において、特に大きな影響を与える。
ブロックチェーンをB2B決済に活用することで、企業はプロセスをさらに合理化し、コストを削減し、従来の決済方法に伴うリスクを軽減することができる。
●最新のB2B決済方法の導入に向けた課題
ブロックチェーンが持つメリットにもかかわらず、B2B決済分野で普及を拡大させるには克服すべき課題が残されている。ビジネスリーダーの64%は、重要な障壁として規制の不明確性を挙げている。データのプライバシーとセキュリティに関する懸念に対処することは、信頼を獲得し、普及を拡大するために重要となる。また、価格変動、拡張性、相互運用性も重要課題として指摘されている。
しかし、こうした課題は乗り越えられないものではない。米国では23年に暗号資産に関する法整備が大きく進展し、業界にとってより明確な規制の枠組みと正当性がもたらされた。
他の多くの地域は、スマートで安全なイノベーションをサポートするために優秀な頭脳を集結させることで、ブロックチェーン規制に対して先進的な姿勢を取っている。また、業界関係者の継続的な協力により、ブロックチェーンがB2B決済に革命をもたらす可能性は十分手の届くところにある。
●B2Bの未来を受け入れる
B2B決済の未来を展望すると、ブロックチェーンが国際決済の効率性、透明性、信頼性を高める上で極めて重要な役割を果たすことは明らかだ。ビジネスリーダーはすでにそのメリットを実感しており、77%が決済にブロックチェーンを活用することはエンドユーザーにとって有益であると指摘している。また、市場規模が大きければ、革新的なB2B決済の機会が増えるとも考えられている。
ブロックチェーン技術を取り入れることで、企業は新たな成長機会を引き出し、業務を合理化し、パートナーやサプライヤーとより強固な関係を築くことができる。
(イメージ写真提供:123RF)
https://ripple.com/insights/How-Blockchain-Can-Supercharge-B2B-Payments/
This story originally appeared on Ripple Insights.
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