ロシアが新たな「暗号資産決済禁止令」を出す理由

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 侵略国であるロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、暗号資産(仮想通貨)決済が同国で既に違法であるにもかかわらず、暗号資産やその他の「デジタル資産」の決済での利用を禁止する新たな法律に署名した。

 決済手段としての暗号資産の利用は、ロシアで法259-FZ(20年半ばに国家院を通過)が正式に採用された21年1月に禁止された。

 7月末に施行される今回の新法は、ほぼ法259-FZを強化するだけだが、より多くの詳細が盛り込まれ、21年の法律で使われていた曖昧で紛らわしいこともあった一部の用語が排除されている。

 暗号資産決済の違法化は、財務省と中央銀行が暗号資産に関して合意している唯一の事項だ。暗号資産規制を目指した法案を作成している財務省は業界を合法化したいと考えているが、中央銀行は全面禁止を支持している。暗号資産決済の禁止が強化された今、両者が急いで暗号資産政策について妥協点を見出すことを議員らは期待するだろう。

 今回の新法では、セキュリティ・トークンとユーティリティ・トークンについて具体的に言及し、これらを決済手段として明示的に禁止。暗号資産やその他の形態のデジタル決済を「商品、行われた仕事、提供されたサービス」と交換することはできないとしている。

 SelfInvestorzというロシアの大手暗号資産ブログは記事の中で、暗号資産決済はロシアでは非常に小さな隙間産業なので「この新法が市場に大きな影響を与えないことに専門家は同意している」と指摘した。暗号資産決済関連の取り組みを進めているロシア企業はほぼ存在しない。

 このブロガーは、同法は単にロシアにおける「唯一の合法な決済手段としてのルーブルの役割を強化する」だろうと付け加えた。

 同ブロガーはまた、この動きは暗号資産支持者にとって「良いニュースでも悪いニュースでもある」と記した。

 彼らによると、良いニュースは「規制は常に安定の前兆である」ことであり、これは「業界の発展」につながる可能性がある。

 「悪いニュース」は、規制当局がこの分野に「手を付ける」ことは避けられず、「さらなる規制、妨害、禁止、手数料、歩合、税」が続くであろうことだ、と同ブロガーは結んだ。

 一方、ロシア人心理学者らは、暗号資産・株式取引の依存症で入院する患者の急増を報告している。

 報道機関のイズベスチヤは、モスクワのイサエヴァ博士リハビリテーションセンターが、暗号資産関連の症例が増えたと述べたと伝えた。同センターは、依存者の多くが「ギャンブル」などの依存性行動の兆候を以前から示していたと指摘した。

 同クリニックは、「暗号資産依存者の平均年齢」は約30歳だと報告している。

 同クリニックの専門家は、依存者の多くが他の場所で多額の資産を失い株式取引所でトレードできなくなった後に暗号資産に手を出している、と語った。

 この専門家は、暗号資産取引依存者の行動は「アルコール依存者や仕事依存者」の行動と多くの面で共通していたと付け加えた。

 マーシャク・クリニックの精神科医、依存症専門家、心理療法士であるレオナルド・ゲバラ氏は、株式取引依存者は心理療法士に助けを求めることが多いが、暗号資産取引依存者は支援を求めたがらないと説明した。

 ゲバラ氏は、一部の取引依存者においては、暗号資産関連の「行動」を取りたいという「衝動的な欲求」が、トークンの売買に伴うことが多い「興奮や高揚感」を求める刺激になっていると結論付けた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/heres-why-russia-issued-new-crypto-payments-ban.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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