イーサリアムが分裂すれば主要取引所はETHPoWトークンを上場する可能性が高い―BitMEX

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 大手暗号資産(仮想通貨)取引所ビットメックスの研究チームによると、イーサリアム(ETH)のPoW(プルーフ・オブ・ワーク)分裂チェーンは機能し続けるかもしれないが、途中で解決すべき大きな問題がある。

 アナリストらは、マージが行われる際にイーサリアムが分裂し、イーサリアム2.0と新たなETHPoWブロックチェーンが生まれる可能性を調査した。マージは、イーサリアムがPoWからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行する待望の節目だ。しかし、特にPoWマイナーなど、全ての人々がそれを望んでいるわけではない。そのため同チームはPoWを継続するチェーンの存続可能性を調査し、「中短期的にトレーダーや投機家に刺激的な機会をもたらすかもしれない」とした。

 ETHPoWチェーンは「価格と実用上のチェーン利用という観点で少数派のチェーンになることはほぼ間違いない」とアナリストらは述べ、次のように論じた。

 「ETHPoWが直面する技術的課題は多いが、チェーンが存続する限り、同通貨にはポジティブな言説が生じる可能性があり、主要な中央集権型取引所はそれを上場する可能性が高いと思われる」

 そうしたチェーンが存続するかどうか、またどれくらいの期間存続するかを推測するのは簡単ではないが、可能性はある。研究者らが挙げた課題は、一部には困難なものもあるが、何らかの解決策はあるように思われる。大きな問題の1つが、既に延期されている難易度爆弾によって生じる氷河期だ。これは、PoWマイニング・ネットワークの難易度をマイニングが不可能になるまで時と共に指数関数的に上昇させるというものだ。

 「PoWチェーンが長期的に存続するには、氷河期機能を永久的に除去する新たなハードフォーク・クライアントが必要かもしれない」と研究者らは述べた。そのためには、除去ハードフォーク、新たなクライアントを作成する意思と能力を持った開発者、新クライアントをサポートする意思を持つ取引所とカストディアンなどが必要になるだろう。

 しかし、アナリストらは次のように主張した。

 「実際には、これらの問題は極めて簡単に克服でき、ETHPoWコミュニティの規模は特に大きくはならない可能性が高いため、大きな問題ではないかもしれない。少数の大手マイナーが水面下で全ての運営資金を出す可能性がある」

 他の問題としては、ビーコンチェーン上にステークされたイーサリアムの問題などがあるが、これは新たにハードフォークしたETHPoWクライアントがリリースされる際に対処される可能性がある。

 とはいえ、チェーン分裂の際にはサークル、テザー、バイナンスといったステーブルコインのカストディアンは皆、ETH2.0をサポートする「可能性が極めて高い」

 研究者らによると、「実際に皆がすべきことは」マージが行われた後にETHPoWを購入することだという。中央集権取引所は新通貨の上場に数日を要するため、分散型取引所でETHPoWを購入し可能になったら中央集権型取引所で売却することが「実際には最善の戦略かもしれない」

 報道された通り、イーサリアム開発者のティム・ベイコ氏はマージの期日として9月19日を提案している。しかしビットメックスの研究者らは次のように記した。

 「マージ後もステークしたイーサリアムを実行レイヤーに戻せないことは指摘されるべきだ。この『第2のマージ』はさらに6-12か月後になる可能性がある」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/if-ethereum-splits-leading-exchanges-are-likely-to-list-ethpow-token-bitmex.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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