暗号資産市場、注目のジャクソンホール会議を前に回復

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 23日の暗号資産(仮想通貨)市場は、「ジャクソンホールシンポジウム」として知られる世界の中央銀行が集う重要な年次会合を前に、慎重な楽観傾向が広がり、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)の両通貨が過去24時間で上昇している。

 ジャクソンホールシンポジウムは、米ワイオミング州で25日から開催され、FRBのジェローム・パウエル議長が26日に経済見通しについて注目の講演を行う予定だ。

 パウエル議長は講演でFRBの金利政策に関する見通しを示すとみられており、一部では、金融政策に対して再びタカ派的な姿勢を取るとの見方が出ている。

 パウエル議長のタカ派的な発言について警告を発しているのは、コインベースの機関投資家向けリサーチ責任者であるデビッド・デュオン氏だ。同氏は最新の市場コメントで、パウエル議長は米国で利上げを継続する必要性を示唆する可能性が高いと記している。

 「ジェローム・パウエル議長は、ワイオミング州でより慎重なアプローチを取り、引き締めサイクルはまだ終わっていないことを強調しようとするだろう」とデュオン氏は主張。同氏によると、前回のFRB会議の議事録は、FRBが意図していたよりもハト派的に解釈された可能性があるとのことだ。

 その結果として、ビットコインは短期的に苦戦する恐れがあり、現在のテクニカル分析がビットコインの弱気を増幅させるとした。

 デュオン氏は、「ビットコインは、1BTC=2万830ドルと1万9230ドルの支持線を再び試す可能性が高い」との見方を示し、ジャクソンホールシンポジウムでのパウエル氏のコメントは、トレーダーに「注視される」と述べた。

 シンガポールに拠点を置く暗号資産取引企業QCPキャピタルのアナリストも同様の見解を共有しており、最新の市場コメントで、「FRB当局者は、市場におけるハト派的なシナリオに積極的に反発している」と指摘している。

 「これにより、株式は失速して下落し、利回りが上昇し、米ドルが全面的に上昇した」という。

 同社は8月初めの市場コメントで、FRBが「ハト派的なシナリオ」を押し返したとしても、市場は「支持され続ける」との予想を示していた。

 モット・キャピタル・マネジメント創設者のマイケル・クラーマー氏などの市場参加者も、ペースは遅いものの、パウエル氏が利上げを継続することを示唆する可能性が高いとみている。

 クラーマー氏は、22日の市場コメントで次のように述べている。

 「パウエル議長は、今後の利上げペースは鈍化するかもしれないが、さらに上昇する可能性があり、しばらくは高止まりする可能性が高いということをかなり明確に説明するだろう」

 続けて、「パウエル氏はインフレ率が明らかに低下基調になるまで、利下げは行わないということを明確に伝える必要がある」と述べた。

 一方、米国の株式市場では、夏の初めに多くの投資家が離れた後、再び資金が流入し始めていると、ウォール・ストリート・ジャーナルが23日に報じている。

 報道では、金融分析企業リフィニティブ・リッパーがまとめたデータを引用し、過去2週間で投資家は117億ドルを投資信託やETF(上場投資信託)に投じたと伝えている。また、企業収益も予想以上に持ちこたえており、米国のインフレ率が最近高水準から緩和し、強気な利上げのリスクが低下する可能性があるということだ。

 ビットコインやその他の主要暗号資産は、株式や他のリスク資産と比較的密接に相関すると知られている。結果として、暗号資産は通常、予想以上の金利上昇にネガティブに反応する。

 UTC(協定世界時)23日11時20分、ビットコインは前日比0.6%高、前週比11.5%安の1BTC=2万1402ドルで取引されている。同時刻、イーサリアムは1ETH=1604ドルで、前日比2%高、前週比16%安となっている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-market-regains-ground-ahead-of-key-us-jackson-hole-meeting.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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