ETCグループの現物PoW版イーサリアムETP、ドイツで上場

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 ハードフォークしたイーサリアム(ETH)のPoW(プルーフ・オブ・ワーク)トークンを追跡するETP(上場取引型金融商品)が、現時点ではそのようなトークンは存在していないにもかかわらず、すでにヨーロッパでの上場が計画されている。

 この新たな投資商品の準備を進めているのは、ロンドンの暗号資産(仮想通貨)企業ETCグループ。計画通りに進めば、ハードフォークが発生した直後にドイツ取引所の電子取引所Xetraにティッカーシンボル「ZETW」で上場する予定だ。

 このETPを計画するETCグループの発表によると、ハードフォークが発生した場合、既存商品のイーサリアムETP「ZETH」の投資家は、自動的に1対1でこの新たなETPを受け取ることになる。上場日は9月16日になる見込みだという。

 新たなETPの正式名称は、「ETCグループ・フィジカル・イーサリアムPoW」。

 既存のイーサリアムETPと新たなETPは、どちらもデジタルトークンに直接裏付けされている。これは、米国で上場しているビットコイン(BTC)先物を裏付けとするETF(上場投資信託)とは異なるもので、米国の規則では現物に裏付けされたETPあるいはETFの上場は現在のところ不可能である。

 新たなトークンはイーサリアムのメインチェーンがPoWからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行する際のハードフォークの結果として誕生する可能性があり、暫定的に「ETHPoW」と呼ばれている。

 ETCグループの創設者兼CEO(最高経営責任者)のブラッドリー・デューク氏は、「ETCグループを立ち上げたとき、デジタル資産担保証券の保有者が、裏付けとなるデジタル資産や暗号資産へのハードフォークから利益を得られるよう約束した」とコメントし、次のように続けた。

 「当社の商品の投資家が、このフォークから収益を受け取るのは至極当然のことだと考えている」

 ETCグループは、デジタル資産に裏付けられたETPをヨーロッパで提供する数社のうちの1つ。他には、ウィズダムツリー、21シェアーズ、コインシェアーズ、ヴァンエックなどの企業がある。注目すべきは、ビットコイン先物ETFが米国で広く利用できるようになったにもかかわらず、投資家の間でヨーロッパの暗号資産ETPの人気が依然として高いということだ。

●取引所は引き続きPoSを支持

 暗号資産取引所は、主にイーサリアムコミュニティの大多数に従い、ネットワークのPoSへの移行を支持し、PoSチェーン上のトークンを単にイーサリアムと呼ぶと表明している。

 しかし、多くの取引所は、PoWチェーンに残るイーサリアムハードフォークのサポートを排除しないとしている。例えば、取引量で最大の取引所であるバイナンスは、フォークしたイーサリアムトークンをユーザーアカウントに入金すると発表。上場については、「バイナンスがすべてのコインやトークンに実施する厳しい上場評価プロセス」に従うとした。

 イーサリアム財団は以前、マージは9月10日から20日の間に起こることが予想されると伝えていた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/etc-group-physical-ethereum-pow-zetw-etp-launching-deutsche-borse.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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