北朝鮮、盗んだ大量の暗号資産を核兵器開発の資金源に流用と噂

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 北朝鮮は「核兵器プログラムの支払にあてるために数億ドル相当の暗号資産(仮想通貨)」を盗んでいる、と国際的な捜査当局が主張している。一方、韓国の政界では、暗号資産開発者バージル・グリフィス氏と政治家との繋がりが疑われ、論争が巻き起こっている。

 北朝鮮政府が、最近のミサイル発射は韓国への核攻撃の「シミュレーション」だと主張する中、今回の事態が生じている。韓国と米国の情報機関のレポートによると、北朝鮮は今後数日中に5年ぶりの核兵器実験を行う見込みだ。そして、韓国政府及び米国政府によると、これら全てについて少なくとも大部分が盗まれた暗号資産が資金源となっている。

 聯合ニュースによると、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会は、ラザルスなどの北朝鮮のハッキング集団がローニン・ブリッジとハーモニーへのハッキングを行ったと非難している。同委員会は、これらのハッキングは北朝鮮の偵察総局が直接許可したものだと主張している。

 同委員会は、ラザルスのメンバーを含む北朝鮮のハッカーらはブリッジ防衛の裏側に入り込むために「ソーシャル・エンジニアリングというハッキング手法を使って」システムに侵入し個人を餌食にしていたと付け加えた。

 同委員会はさらに、16年のバングラディシュ中央銀行への攻撃で西側勢力に非難されたハッキンググループのブルーノロフが、現在は偵察総局によって暗号資産の盗難のみに集中するよう転向されていると主張した。

 同委員会は、ブルーノロフがラザルスのように「北朝鮮への違法な収入を生み出すことに成功した」かどうかは不明だが、今度も「こうした種類の活動」が「続く可能性は高い」と主張した。

●北朝鮮の「盗まれた」暗号資産が政治的不和招く

 デジタル・トゥデイによると、北朝鮮問題とその暗号資産関連の活動は、韓国国会の最大勢力である「共に民主党」と行政府を支配する「国民の力」との間に醜い政治的争いをもたらす恐れがある。

 共に民主党のある国会議員は、韓東勲法務大臣が共に民主党とイーサリアム開発者のバージル・グリフィス氏との繋がりを調べるために22年7月に米国のニューヨーク南部地区連邦検事局を訪問したと語った。グリフィス氏は暗号資産を利用した北朝鮮の制裁回避を支援したとして禁固5年の刑を受けている。

 共に民主党の党員の一部は、国民の力の関係者が共に民主党の李在明代表とグリフィス氏との繋がりを工作しようとしていると主張している。裁判所文書によると、グリフィス氏は韓国と接触していたようだ。政治家らは、この接触が李氏や共に民主党の重鎮で元ソウル市長の朴元淳氏と何らかの繋がりがある可能性を主張している。朴氏は20年7月9日に自殺している。

 李氏と朴氏の両者が「北朝鮮にイーサリアム(ETH)サーバー研究センターを設置することに強い関心を持って」いたことを複数の文書が示しているという。

 この件について質問された韓氏は批判には直接答えず、暗号資産関連の事柄で「米国と協力するのは正しい」としながらも、自身の米国訪問の性質について勝手に「具体的な詳細を明らか」にすることはできないと主張した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/north-korea-funding-weapons-programs-with-vast-cache-of-stolen-crypto.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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