企業のためのオンデマンド流動性:財務管理

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 グローバル化の影響を最も良く理解しているのは、国境を越えた資金循環を管理する企業の財務管理チームであろう。

 企業の財務管理事業は、ビジネスニーズと経済環境に合わせ、組織全体の資金が円滑かつスケジュール通りに流れるよう支援する。航空機の最適化と稼働時間を管理する航空会社のフリート管理者のように、債務を果たし、機会を最大化するために資金が適切なタイミングで適切な場所にあることを保証するのだ。

●国境を越えた財務管理の課題

 国境を超えて事業を展開する多国籍企業にとって、財務管理は非常に重要で複雑なものである。

 例えば、米国に研究開発施設、メキシコに生産拠点を持ち、複数の大陸にまたがり営業・マーケティング・流通業務を行う中規模の薬剤会社が直面する課題を考えてみよう。あるいは、ヨーロッパ、米国、日本で商品を販売するイタリアの高級品小売業者でもよいだろう。効率的なグローバル事業を運営するための責任は、財務管理にある。

 中小企業は、海外の従業員に給与を支払い、国際市場から収益を集め、外国企業ではなく現地での請求を希望する売り手に支払いを行わなければならない。これらすべてが、通貨、時間帯、銀行構造が異なる国で行われる。これらの業務には非常に複雑なお金の動きが伴うが、税金と手数料を最小限に抑えつつ、不足を回避し、収益を最適化するためにタイミングを計らなければならない。

 国境を越えた資金の移動・管理に利用されてきた、従来の遅く高価な決済手段により、多国籍企業が抱える財務的課題はさらに増大する。決済完了に3-5営業日かかることも多く、実際に支払いが必要になるかなり前に資金を移動させなければならない。また、従来の決済システムでは、取引の両サイドであらかじめ現地通貨を準備しておく必要がある。このため、財務チームは不足しがちな運転資本を拘束しなければならず、予測作業に支障をきたし、これら資金を別の目的に利用することができなくなる。

 さらに、ブラジル、メキシコ、インド、東南アジアなどの特定の国や地域を介した送金がますます難しくなっている。大手銀行でさえも、特定の決済ルートでの資金調達を維持することが困難になっている、これらの地域との間に高い流動性を確保していない場合、財務チームは従業員や売り手への支払いや市場からの資金回収を行う際、問題に直面することになる。

●ODLによるスピード、コスト削減、流動性の向上

 リップルのODL(オンデマンド流動性)決済ソリューションは、これらの課題を解決し、ジャストインタイムな財務業務を可能にする。グローバルなリアルタイム決済により、ODLはほんの一瞬で取引を完了させ、コストや送金先口座での事前資金準備の必要性を劇的に削減する。また、価格設定や支払い追跡において、企業やその顧客にとって、透明性の向上も重要なメリットである。これにより、すべてのコストを事前に把握し、追跡することができる。

 ODLは、強力なグローバル決済ネットワークと、さまざまな法定通貨ペアの中立的ブリッジとしてXPRを使用する能力により、複雑な経路を含むクロスボーダー決済に優れた流動性を提供する。企業の財務チームは、ODLなど暗号資産ビジネスソリューションを活用することで、資金フロー計画を改善し、取引条件を強化したり、業者の債権譲渡を手助けすることができる。

●LOCで財務業務を強化

 こうした中核的な取引上の利点の他にも、ODLを利用する企業には、リップルのLOC(信用供与)を用いて自社の資金需要に対応し、パートナー企業の信用枠を拡大し、柔軟な返済条件を提供できるという利点がある。

 取引先や従業員への支払いと収益回収に時間差があるため、多くの企業が資本制約に直面する中で、流動性はビジネスにとって非常に重要である。伝統的な銀行を通じた与信は、数カ月を要することもある上、面倒な約款や保証人も伴い、国境を越えた決済には高額な銀行サービスを利用しなければならないなど、時間と費用のかかるプロセスである。さらに、リスクを嫌う伝統的銀行の判断に左右されるため、多くの中小企業は従来のシステムを通じて信用を得ることができない。

 リップルのLOCは、迅速な承認、隠れた手数料なしという安心を提供している。

 多国籍企業にとって重要なのは、LOCがさまざまな市場において1つの取決めで機能するということ。つまり、それぞれの国での交渉や与信管理が必要ないということだ。これは特に、新市場への進出や事業拡大を目指すものの、従来の信用枠ではどうすることもできなかった中小企業にとっては驚くべき機能だろう。

●財務管理の未来

 よりシンプルで最適化された財務事業を求める企業にとって、ODLは優れた流動性、事前資金調達が不要な迅速かつ手頃な決済、LOCなどの付加価値サービスへのアクセスを提供する。その結果、スピード、コスト削減、柔軟性が向上し、財務チームは中核的なビジネス要件をすべて満たしたまま、自社の資金力を最大限に活用することができ、それと同時に、新たな市場への進出も容易となる。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/on-demand-liquidity-for-corporate-enterprises-treasury-management/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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