マイクロソフト、産業用メタバースチームを廃止

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 マイクロソフトは、産業環境におけるメタバースの活用を促進するため、4カ月前に設立した「産業用メタバースコアチーム」を廃止した。

 ザ・インフォメーションの9日の報道によると、マイクロソフトは同プロジェクトに取り組む従業員約100人も解雇した。同社は、収益を最適化するために長期間を要するプロジェクトよりも、短期間のプロジェクトを優先させたいと考えていると、事情に詳しい人物が語ったという。

 この「産業用メタバースチーム」は、社内では「プロジェクト・ボンサイ」と呼ばれており、物理的な商品・資産・場所・プロセス・設備と人々が触れ合い、それをより良く活用するため、どのようにAI(人口知能)とデジタル技術を使うことができるかという点に着目していた。

 10月に設立された同チームは、ヘルスケア、個人向け金融サービス、エネルギーなどの業界の顧客と協力し、産業消費者が利用できる要素を構築しようと取り組んでいた。

 マイクロソフトはすでに、業界用メタバース領域において、メルセデスベンツやコカ・コーラなどの大手顧客を抱えていた。同社の広報担当者は、次のように述べたという。

 「マイクロソフトは、引き続き産業用メタバースに力を注いでいく。われわれは、当社顧客にとって最も重要な産業用メタバース分野に重点を置いており、顧客へのサポート方法は何も変わらない。今後、さらなる詳細を提供できることを楽しみにしている」

 今回のレイオフは、サティア・ナデラCEO(最高経営責任者)が2月に発表した1万人の人員削減計画の一環である。世界の株式市場の低迷と経済悪化の影響から、マイクロソフトがマクロ経済的な不確実性に直面している中での動きとなった。

 メタバースは、ユーザー同士やコンピュータで作られたオブジェクトやアバターとつながることのできる共有された没入型オンライン3D空間である。マイクロソフトやメタ・プラットフォームスなどのテクノロジー大手は、すでにメタバース開発への関心を示している。

 マイクロソフトのMR(複合現実)事業を監督するロビン・セイラー氏は2日、同社が「マイクロソフト・メッシュ」や「HoloLens2」など、一部のMR製品に引き続き尽力すると断言していた。

 しかし、その発言の少し前、同社はアバターのミーティングソリューション「AltspaceVR」を閉鎖し、現在は別のオープンソースプロジェクトとなった「MRツールキット」を開発していたチーム全体を廃止した。

 メタバースが現実のものとなるにはまだ早いが、そのコンセプトはすでに一部の国・地域で大きな支持を集めている。最新の調査によると、フロリダ州民はメタバースの探索に最も高い関心を示しており、1000人あたり670回検索を行っている。

 特に、オーランドとマイアミが3DとVR(仮想現実)技術を駆使し、メタバースで市を再現していることも注目される。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/microsoft-pulls-plug-industrial-metaverse-team-heres-what-happened.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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