コインベース、流動性への懸念でバイナンスのステーブルコインBUSDの取引を停止

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 コインベースが、予定されていたバイナンスUSD(BUSD)の取引停止を進展させ、全プラットフォームでこのステーブルコインの取引を無効にした。

 米国に拠点を置く暗号資産取引所である同社は、13日のツイートで「バイナンスUSDの取引を無効にした」と述べ、ユーザーは引き続き保有するバイナンスUSDにアクセスでき、いつでも引き出せると付け加えた。

 同取引所は、バイナンスUSDの取引を停止する計画を2月下旬に公表し、その理由として「上場基準」を挙げていた。この取引停止は、コインベース・ドットコム、コインベース・プロ、コインベース・エクスチェンジ、コインベース・プライムに影響する。

 今回の動きの前には、DFS(ニューヨーク州金融サービス局)が、バイナンスのステーブルコインであるバイナンスUSDを発行するパクソスに対し、同トークンの発行停止を命じていた。

 DFSは消費者向け警告の中で、「バイナンスとの関係に対するパクソスの監督にまつわる複数の未解決の問題の結果として」この命令を出したと述べた。

 その後、SEC(米証券取引委員会)がパクソスにウェルズ通知を出しており、バイナンスUSD発行で同社を提訴する予定であることが明らかになった。SECは、バイナンスUSDは未登録の証券とみなされると主張した。

 この規制当局による取り締まりを受け、パクソスは「バイナンスとの関係を解消」し、2月21日から新たなバイナンスUSDの発行を停止すると発表した。しかし同社は、少なくとも24年2月までは同トークンのサポートと償還を継続する予定だ。

 新たなトークンが発行されないため、バイナンスUSDの時価総額は過去2週間低下傾向にある。

 コインマーケットキャップのデータによると、バイナンスUSDの時価総額は23年初頭には約165億ドルだったが、約84億ドルに減少した。

 一方、価格の安定性という面では、バイナンスUSDは最近の圧力にもかかわらずドルとのペッグを維持できている。

●米国の銀行危機でUSDコインがペッグ喪失

 サークルが発行する規制下のステーブルコインであるUSDコイン(USDC)は週末にかけ、破綻したシリコンバレー銀行の口座に30億ドル超の準備金を有していたことが明らかになった後、ドルとのペッグを失った。

 不透明感が高まる中、USDコインは11日に史上最安値の1USDC=0.8774ドル付近に下落した。しかし、シリコンバレー銀行に保有する33億ドルの全額を受け取れなかった場合、USDコインの準備金の不足分はサークルが補うと約束したことで、同コインは回復し始めた。

 さらに、米国の規制当局は、親会社であるシリコンバレー銀行と繋がりのある金融機関や預金者を保護する計画を承認した。

 週末にかけて複数の措置が承認されたことで、シリコンバレー銀行と、同様のシステミック・リスクの懸念で12日に破綻したシグネチャー銀行の預金者は、自身の預金に制限無くアクセスできるようになる。

 一方、米国の銀行を巡る状況が継続する中、USDコインは多額の償還と30億ドル超の時価総額減少を経て、現在は想定通りのドルペッグ付近で取引されている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/binance-busd-stablecoin-trading-suspended-by-coinbase-over-liquidity-concerns-whats-going-on.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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