BTCマイニング企業のスフィア3Dが取引先のグリフォン・デジタルを提訴

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 ビットコイン(BTC)マイニング企業のスフィア3Dが、スプーフィング攻撃で約50万ドル相当のBTCを失ったとして、取引先のグリフォン・デジタル・マイニングを提訴した。

 同社は、グリフォンのロブ・チャンCEO(最高経営責任者)が1月に、スフィア3DのCFO(最高財務責任者)に成りすました詐欺師に18BTCを送金したと訴えている。8日の報道発表によると、数日後に同じ手法でさらに8BTCが送金されたという。

 スフィア3Dはさらに、グリフォンがパートナーに不十分なサービスを提供し、開示情報でBTCマイナーの計算力を偽っていたと訴えている。

 スフィア3Dのパトリシア・トランペッターCEOは声明の中で、「当社は本日、グリフォンと締結したMSA(マスターサービス契約)の重大な違反について、当社のブロックチェーン及び暗号資産関連サービスにカストディ管理サービスを提供するグリフォンに対し訴訟を起こした」と述べた。

 「当社は、グリフォンが会社資産を重大なリスクに晒し、悪意で契約義務に違反したと考えている」

 この訴状は、ニューヨーク州南部地区裁判所に提出された。

 両社は21年8月から提携しており、グリフォンはスフィア3Dの「暗号資産マイニング活動」を管理し、「スフィアのデジタル資産に対する受託義務」を有していた。グリフォンはこのサービスで、スフィアの事業から総利益の22.5%を得ていた。

 スプーフィングとは、ユーザーを騙し、自身を別人だと信じ込ませる手法だ。この攻撃は、IPアドレス、Eメールアドレス、ユーザー資格情報などのデータを偽装して、システムにアクセスし、機密情報を盗み出したり、さらなる攻撃を仕掛けることによって実行される。

 スフィア3Dの声明は、同社とグリフォンとの関係悪化を示している。両社はかつて合併も検討していたが、22年4月に「市況の変化を理由に」撤回していた。

 「本日の提訴は、過去1年間懸命に運営してきた会社を守るだけでなく、グリフォンにような企業に当社が害されたり脅かされることがないことを示すものだ」とトランぺッター氏は述べた。

●規制当局、BTCマイニングの環境への影響に懸念

 世界の規制当局は、BTCマイニングの環境への影響に懸念の声を上げている。

 米国のエドワード・マーキー上院議員とジャレッド・ハフマン下院議員は3月、暗号資産マイニングとその環境に与える影響についての透明性向上を促進するため、暗号資産環境透明性法を議会に再提出する意向を明らかにした。

 この法案は、5メガワット以上の電力を消費する事業、または「同一の企業が所有する複数の電源負荷5メガワット未満の暗号資産マイニング施設で、その電源負荷の合計が5メガワット以上であるもの」についての排出量開示を暗号資産マイニング企業に義務付けるものだ。

 同様に、米国の議員らは最近、注目を集めた22年の一連の破綻を契機に、暗号資産業界の規制活動を強化している。

 特に、SEC(米証券取引委員会)は暗号資産企業を取り締まっており、取引所、レンディング・プラットフォーム、その他のデジタル資産会社を証券法違反で提訴している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bitcoin-mining-firm-sphere-3d-sues-gryphon-digital-over-spoofing-attack-heres-what-happened.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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