流動性ハブ:リップルの企業向け暗号資産流動性APIソリューション

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 リップルは企業向けの「リップル流動性ハブ」を正式に提供開始したと発表した。同社は22年に実証実験を成功。そして今、「流動性ハブ」は現代の暗号資産(仮想通貨)の流動性ニーズに対応したシンプルでシームレスな方法を企業に提供している。ユーザービリティと相互運用性を考慮して設計された流動性ハブは、法人顧客にマルチアセットの未来における競争優位性をもたらすことができる。

●流動性で描く未来

 私たちは、消費者や企業が法定通貨、暗号資産、CBDC(中央銀行デジタル通貨)、NFT(非代替性トークン)など幅広い資産ポートフォリオを管理しなければならない、「マルチアセットな現実」へと急速に移行している。

 企業は、プラットフォームのユーザー数、取引量、市場の効率性など、流動性に影響を及ぼす可能性のある部分がどんな状態であっても、これらの異なる資産に迅速かつ容易に対応できなければならない。ここで重要なのは、安価でリアルタイムなクロスボーダー決済などの取引を実行するために、企業が価値を犠牲にする必要がない環境を確保することである。また、暗号資産とデジタル資産は、透明性を高め、財務管理を円滑化することができる。

 こうしたユースケースはすべて相互運用性に依存しており、暗号資産と法定通貨間の強力なオン・オフランプ、資産ペア間の豊富な流動資金、または少ない流動資金間の橋渡しをする暗号資産を必要とする。

●暗号資産流動性を最大化する

 「流動性ハブ」は、暗号資産と法定通貨の世界を結びつける際に生じるギャップと非効率性に対応する形で開発された。流動性ハブは、独立したソリューションとして、またはリップルのグローバルネットワークを活用し、パートナーに世界中の決済レールへのアクセスを提供するクロスボーダー決済の拡張版として機能する。

 企業にとってのターンキーソリューションとして、流動性ハブは幅広い暗号資産市場からデジタル資産をより簡単かつ効率的に調達できるように設計されている。流動性を高め、暗号資産決済やオペレーションを強化し、暗号資産の売買・保有に関心を持つ顧客をサポートしたいと考える企業のために、できるだけ摩擦のないソリューションとなっている。

 リップルの流動性製品責任者であるブラッド・チェイス氏は、「流動性ハブは、リップルがODL(オンデマンド流動性)のためにプロバイダーや複数の場所から流動性を調達する際に得たすべての教訓から知恵を得ている。流動性ハブは、使いやすさ、強力な決済統合、コスト削減などを、単一で拡張可能なエンタープライズ・グレードのプラットフォームに統合している」と説明した。

●コストの削減と拘束された資金の開放

 24時間365日利用可能な流動性ハブは、スマート・オーダー・ルーティングを活用して、マーケットメーカーや取引所、OTC(店頭取引)デスクなどから幅広いデジタル資産を最適な価格で調達している。複数のプロバイダーによる豊富な流動性プールは、米ドルからビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、ビットコインキャッシュ(BTH)、ライトコイン(LTC)、USDコイン(USDC)、テザー(USDT)まで、必要な時に流動性を確保できることを保証する。

 製品内でのサポートについて、XRP(XRP)は他のトークンと同じように評価を受けることになる。リップルは、米国おいて規制の明確さが提供される中で、XRPをサポートできることを楽しみにしている。

 資産ペア間の暗号資産価格と流動性を最適化することで、企業は財務管理などの大量取引においてコストを大幅に削減することができる。

 重要なのは、流動性ハブを利用することで、流動性の調達や取引を行うために事前に資金を準備する必要がなくなるということ。これまでは拘束されていた資金を開放し、他のビジネスに活用することができる。

●複雑な流動性管理を排除

 このソリューションにより、複数の場所からの流動資金の調達と管理が容易になる。また、合理化されたAPIを使用しているため、企業は集中的な統合や必要のない時間・リソースの投資を行うことなく暗号資産戦略に着手することができる。

 流動性ハブが稼働すれば、企業はデジタル資産へのアクセスを一元化できるため、複雑な流動性管理が不要になる。また、複数の資産・場所から調達することによって、最適な価格設定と安定性を確保し、市場のボラティリティ(変動率)や価格変動からビジネスを守ることができる。

 直感的なダッシュボードで管理・取引・報告を合理化し、デジタル資産管理をさらに簡素化することができる。このシンプルかつユーザー重視のアプローチにより、企業は暗号資産専門家チームを立ち上げる必要がなくなり、より多くの時間・予算・人員を確保することができる。

 「流動性ハブはユーザービリティと相互運用性の両方を提供しており、チームは迅速かつ容易に取りかかり、ビジネスの原動力となる資産を管理することができる」とチェイス氏は述べた。

●相互運用性の高い未来を実現する

 流動性ハブは、企業が暗号資産とブロックチェーンを通じて目の前にある現実の価値を解き放つことを支援するというリップルのコミットメントに不可欠なものである。

 その主な役目として、流動性ハブは従来の法定通貨と暗号資産との間のシームレスな橋渡しを実現する。流動性ハブとリップルが抱える幅広い商品と組み合わせることで、企業は暗号資産流動性を最適化し、グローバルな決済レールの広範なネットワークを利用して、暗号資産取引・財務管理・その他応用分野を合理化することができる。

 その合理化されたAPIとシンプルで直感的な設計により、顧客は流動性ハブを簡単に導入・管理することができる。また、セキュリティと規制基準の高い水準を維持しつつ、リクオートとスリッページを最小限に抑えて24時間リアルタイムの取引を実行できるため、あらゆるビジネスに安心感を提供する。

 リップル流動性ハブは、暗号資産ファーストな未来において重要なビジネス有利性をもたらす企業向けプラットフォームである。

(イメージ写真提供:123RF)

https://ripple.com/insights/liquidity-hub-our-b2b-crypto-liquidity-api-solution/

This story originally appeared on Ripple Insights.

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