米サークル社、USDC準備金1.2兆円相当を国債から現先取引に転換―米国債のデフォルトリスクに備え

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●準備金の保護を優先

米ドル連動型ステーブルコインUSDCを発行する米サークル社が、米国政府が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクに備え、準備金の構成を替えていたことがわかった。同社の広報担当者によると、5月31日以降に満期を迎える短期国債を、現金と翌日物の現先取引に転換したという。

現在、USDCの準備金は米資産運用最大手ブラックロック(BlackRock)が管理する政府系マネー・マーケットファンド「Circle Reserve Fund」に置かれている。

同ファンドは、16日時点で約267億ドル(3.67兆円)の規模で、米国短期国債64.88%と国債現先取引35.12%で構成されている。約87億ドル(1.19兆円)の翌日物現先取引(レポ取引)がポートフォリオに追加された。

第三者が受け渡し処理などのサービスを提供するトライパーティ・レポも含まれており、BNPパリバ、ゴールドマン・サックス、バークレイズ等の大手銀行が参加している。

サークル社の広報担当者は、数ヶ月前から、ポートフォリオの構成を変える計画が進行中だったとして、次のように語った。

"このような流動性の高い資産を含めることで、起こりそうもない米国債のデフォルトという出来事に対しても、USDCの準備金のさらなる保護を提供することが可能になる。"

●米政府デフォルトの可能性は

サークル社のジェレミー・アライア最高経営責任者は、米政治ニュースメディア「Politico」のインタビューで、米国政府のデフォルトによる影響を避けるため、同社は6月上旬以降に満期を迎える米国債を保有していないと語った。

"我々は、米国政府の債務支払い不履行の可能性に、エクスポージャーを持ちたくはない。"

ジャネット・イエレン財務長官は1日、米連邦政府の債務上限問題で、議会が上限を引き上げなければ米国債が来月1日にもデフォルトに陥る恐れがあると警告した。さらに16日には、米政府がデフォルトした場合、800万人以上の米国人が失業し、家計に大きな打撃をもたらし、株価の大幅な下落につながるなど、経済と社会に大きな混乱が予想されると再度警告。債務上限引き上げの早期解決を米議会に求めた。

バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長は16日、債務上限の引き上げについて、ホワイトハウスで会談したが、合意には至らなかった。ただし、マッカーシー議長が引き上げの条件として提示した歳出削減を、バイデン氏が一部受け入れる姿勢を見せるなど、平行線をたどっていた協議に折り合いがつく可能性も出てきた。

17日の記者会見で、バイデン大統領は上限引き上げに関する合意成立を確信していると発言。マッカーシー下院議長も「米国が債務不履行に陥ることはない」と言明し、週内合意は「実行可能だ」と述べた。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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