FRB、米国の銀行による暗号資産活動を監視するプログラムを設立

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 FRB(米連邦準備制度理事会)は、銀行と暗号資産(仮想通貨)との関わりを厳重に監視することを目的とした新たなガイドラインを導入した。

 8日に発表されたこの「新規活動監視プログラム」は、銀行とデジタル資産との関わりを監督するFRBの戦略を明確にするものである。

 発表によると、このプログラムにより、FRBのデジタル資産分野専門家が通常のチームと協力し、暗号資産分野との取引を監督することが可能になる。

●FRB、ステーブルコインに注目

 このプログラムにおいて、FRBはステーブルコインに焦点を当てており、銀行が法定通貨に裏付けられたデジタル通貨と関与することについて、包括的なガイダンスを示している。

 FRBの監視下にある銀行が、決済処理を行うためにドルトークンの発行、保有、取引等の活用に関与する場合、事前承認の取得が必須となる。

 FRBまた、銀行はそうした活動に関与する前に、安全かつ健全な方法で実行できることを証明する必要があるとするガイダンスも発表している。

 FRBによる正式承認は、このプロセスの必須条件である。

 この承認を得るのは簡単なことではなさそうだ。

 各銀行はステーブルコインの発行や取引に関連するリスクを特定、評価、監視、管理する能力を示さなければならない。

 規制当局は、マネーロンダリングや顧客の取り付け、サイバーセキュリティの侵害といった問題に対する潜在的な脆弱性を調べることになる。

●暗号資産規制、米国の重要分野であり続ける

 FRBによる発表は、23年1月に発表された暗号資産ガイドラインを強化するものである。

 注目すべきことに、このプログラムが発表されると同時に、ペイパルは独自のステーブルコインを導入すると発表している。

 米銀行当局は現政権を通じて、従来の銀行システムと暗号資産分野との完全な分離を維持することが重要であるとの見解を一貫して示している。

 しかし、金融規制当局は、銀行が厳重な監視の範囲内で実験を続けることは奨励している。

 この新規活動監視プログラムは、デジタル資産のエクスポージャーがいつ調査を受けるかを各銀行に通知することになるとFRBは説明した。

 適用される監視レベルは、各銀行が革新的な活動にどの程度関与しているかによって決まるということだ。

 FRBはまた、新たな監督イニシアチブは、革新的な金融サービスの推進と効果的な規則・監督の確保との間でバランスを取るものであると述べている。

 その目的は、金融サービスへのアクセスとその提供を改善することであるとした。

 つまり、FRBの新プログラムは、銀行の暗号資産領域への関与に対する監督を強化する重要な一歩となる。

 ステーブルコインへの関与に関する事前承認プロセスを明確にし、監督の基準について説明することで、FRBは成長するデジタル資産領域に対して、慎重でありつつも寛容な姿勢を維持しようとしている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/federal-reserve-establishes-program-monitor-crypto-activities-us-banks.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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