アルゼンチン、ペソ暴落でステーブルコインの購入増加(再掲)

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 業界関係者らによると、アルゼンチンでは闇市場の米ドル相場が急騰する中で、ステーブルコインの購入が増加しているという。

 Globoによると、アルゼンチンは「過去21年で最悪の政治危機」に見舞われており、ハイパーインフレにより法定通貨ペソの価値が暴落している。

 11日、ブルームバーグは次のように報じた。

 「(米ドル取引の)公式レートは1ドル=287ペソだが、ブエノスアイレスの闇市場では1ドル=約600ペソで取引されている」

 政府は19年以降1人当たりの外貨購入を月200ドルに制限しており、これが闇市場利用者を増加させる原因となっている。

 しかし、アルゼンチンでは米ドル紙幣が不足しているため、米ドル連動のステーブルコインに目を向ける人もいる。

 Globoは、ブラジル暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームRipioの創設者であるセバスチャン・セラーノ氏の発言を引用。同氏によると、Ripio独自の米ドル連動トークンは「8月18日、1トークンあたり726ペソで取引されていた」という。

 この数字は、一部のアルゼンチン国民がいわゆる「ブルードル(非公式闇市場における同日の為替レート)」に払っていた金額よりも「5.3%少ない」という。

 同メディアによると、アルゼンチン国民は、決済手段としてではなく、貯蓄の価値を守るためにステーブルコインを利用する傾向がある。

 しかし、「航空券の購入」や「送料の支払い」にステーブルコインを利用する国民もいるという。

 また、「外国企業でリモートワークをしている人の多くは暗号資産で給料を受け取っている」ようだ。

 実際アルゼンチンでは、法定通貨ではなく暗号資産で支払うよう雇用主に求めるフリーランサーが増えている。

 セラーノ氏は、Ripioの米ドル連動コインに対する需要は、8月の大統領予備選挙以降「4倍に増加している」と述べた。

 予備選では、自由前進党候補のハビエル・ミレイ氏が約33%の票を獲得し、最有力候補となった。

●ステーブルコインやその他コインがアルゼンチンで台頭か?

 ミレイ氏はドル化政策を推進しているが、過去にビットコイン(BTC)について熱く語っており、他にも暗号資産ともつながりを持っている。

 しかし、セラーノ氏は、ミレイ氏人気の高まりにより、暗号資産市場に参入する投資家が増えたと指摘する。

 セラーノ氏によると、ミレイ氏は「民間部門に対して自由主義的なアプローチを取っている」ことから、左派の政府よりも暗号資産に対して「より好意的なアプローチ」をとる可能性が高いという。

 セラーノ氏は続けて、ミレイ氏は「暗号資産を購入するユーザーの権利を支持する」だろうと述べた。

 しかし、ミレイ政権が「香港やUAE(アラブ首長国連邦)などのように暗号資産産業を奨励したり、ブラジルのように主権デジタル通貨を創設したりする」とは考えていないと同氏は続けた。

 セラーノ氏は、ミレイ氏がエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領のような「ビットコイン大統領になるのでは」とするソーシャルメディア上での憶測に対して、「ミレイ氏はテクノロジーについてわかっていない。ビットコイン愛好家ではないし、暗号資産に熱心なブケレ大統領のようにはならないだろう」と述べた。

 ミレイ氏率いる政治派閥のメンバーを含む数名はそうは思っていないようで、ある議員は8月、アルゼンチンが「ビットコイン・ヘイブン」となろうとしていると主張した。

 また、セラーノ氏は、選挙運動中に表明したミレイ氏の「急進的な見解」について、新政権においては「支持を集める必要があるため、より現実的な判断」が求められるようになると述べた。

 アルゼンチンでは、10月22日に次期大統領を選ぶ投票が行われる。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/stablecoin-buying-rising-argentina-as-peso-tumbles.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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