JPモルガン、ブロックチェーンに基づく担保決済アプリが稼働開始(再掲)

jpm_34778298_s.jpg

 世界的な銀行業大手ジェイピー・モルガン・チェースのブロックチェーンに基づく担保決済アプリケーションであるTCN(トークナイズド・コラテラル・ネットワーク)が稼働を開始し、ブラックロックおよびバークレイズという重要な顧客2社との最初の取引を終えた。

 ブルームバーグによると、TCNによって、ブラックロックは自社のMMF(マネー・マーケット・ファンド)1種の持分をデジタル・トークンへとスームーズに変換することができた。これらのトークンはその後、OTC(店頭)デリバティブ取引の担保としてバークレイズに移転した。JPモルガンでオニキス・デジタル・アセッツの責任者を務めるタイロン・ロバン氏は、この画期的出来事を認め、効率性の向上を強調した。

 22年5月に内部試験が行われていたTCNは、JPモルガンのプライベート・ブロックチェーン・ネットワークであるオニキス・デジタル・アセッツ上で、トークン化したブラックロックのMMFの持分を担保として移転することで、その可能性を実証した。JPモルガンでトレーディング・サービスの責任者を務めるエド・ボンド氏によると、現在稼働中のTCNは、より広く採用される準備を整えており、顧客や取引のパイプラインを構築中だという。

●TCN、ほぼ即時の取引で担保決済を革新、より広範な資産への対応に向けた道が開ける

 TCNによる迅速な担保移動は決済時間を劇的に短縮し、従来の1日がかりの処理を大幅に改善している。TCNの際立った特徴の1つが、従来の担保決済手法と比較した際の驚くべき速度だ。従来のシステムでは担保の決済に丸1日かかる場合もあるが、TCNのほぼ即時の決済は業界の新たなスタンダードを確立するものだ。

 JPモルガンはこの画期的な機能に加え、株式や債券を含むより広範な資産にTCNを拡大することを計画している。これは、担保要件の充足において機関により高い柔軟性を提供し、最終的に取引能力を向上させることを狙ったものだ。広く導入された場合、TCNは、進行中の取引の担保として使われる資本を解放し、市場全体の効率性を高める可能性がある。

 JPモルガンのTCNは、ブロックチェーン技術の大きな前進となるだけでなく、民間銀行ネットワークが大きな支持を得る可能性を示している。これは、ブロックチェーン市場におけるイーサリアム(ETH)などのプラットフォームの支配への挑戦となる可能性がある。

 さらに、営業時間の延長とより迅速な取引速度を提供するJPMコインというブロックチェーンに基づく決済システムを、JPモルガンが運営している点も注目に値する。大口決済顧客は、ドル決済向けに19年に立ち上げられたこのプラットフォームによって、従来の決済手法に代えてブロックチェーン技術を使って同行の他の顧客への支払いを行ったり、世界中のJPモルガンの口座間でドルやユーロを送金したりできる。

 JPモルガンは6月、ブロックチェーン決済サービスのJPMコインを拡大し、法人顧客向けのユーロ建ての取引に対応した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/jpmorgan-chase-conducts-first-blockchain-based-collateral-settlement-with-blackrock-and-barclays.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ