米FinCENが提出した新規制案、コインジョインやミキサーに影響大か(再掲)
米国のFinCEN(金融犯罪捜査網)が、ビットコイン(BTC)の匿名送金技術であるコインジョインや暗号資産(仮想通貨)ミキサーに重大な影響を与える可能性がある規則整備案を提出した。
これらの新規則が導入されれば、交換可能な暗号資産のミキシングは「マネーロンダリング上の最大懸念」に分類され、トルネード・キャッシュなどの専用のミキサーや、基本的なプライバシー・プロトコルを利用するサービス・プロバイダーの両者に影響を及ぼすことになる、とプロトスが23日に伝えた。
FinCENの案は、犯罪者が違法な資金を洗浄するために暗号資産ミキシング・サービスを悪用する懸念が高まる中、提出されたものだ。
同機関は具体的に、ハマス、イスラム聖戦、ロシアの犯罪組織、北朝鮮などに言及した。
報道によると、イスラム聖戦によるトロン(TRX)ベースのテザー(USDT)の受取やハマスから押収されたデジタル資産寄付など、これらの集団が関与した最近の事件が、透明性とコンプライアンスを高める措置の必要性を浮き彫りにしたという。
この規則案は、デジタル資産のミキサーが関与する取引について、記録と報告の保持を金融機関に求めるものだ。
これは基本的に、暗号資産ミキサーの運営者がKYC(顧客確認)、AML(マネーロンダリング対策)、CFT(テロ資金供与対策)要件の対象となることを意味する。
FinCENの規則制定は、「マネーロンダリング上の最大懸念」に分類される対象の特定と特別措置の実施権限を財務長官に与える、米国愛国者法第311条を根拠とするものだ。
これらの措置には、コルレス口座やペイアブル・スルー口座の禁止、支払の資金源と目的の検証、記録及び報告義務、実質的支配者の開示義務が含まれる可能性がある。
●コインジョイン・サービス、新たな規制で大きな打撃受ける可能性
著名なミキサーであるトルネード・キャッシュは22年8月、OFAC(外国資産管理室)の制裁を受けた。
このトルネード・キャッシュへの制裁はいくばくかの議論を呼び、プライバシーを求める善良なユーザーを不当に標的にし、言論の自由が侵害される懸念があると主張する人々もいた。
しかし、トルネード・キャッシュは制裁後大きな打撃を受け、取引量は大幅に減少した。
コインジョインXTやワサビ・ウォレットなどの有名な実装を含むコインジョイン・サービスも、FinCENの提案する規則の影響を受ける可能性がある。
運営会社は、政府に対し大量のデータを収集、記録、処理、開示する義務が増大する可能性がある。
これらの義務により、こうしたサービスを合法に利用することはより難しくなるかもしれない。
FinCENの規則案は、90日間のパブリック・コメント期間を経て、ジャネット・イエレン財務長官によって制定される可能性がある。
報道された通り、ビットコインのモバイル・ソフトウェア・ウォレットであるサムライ・ウォレットは22年、コインジョインの必要性を擁護し、コインジョインは暗号資産ミキサーとは異なり、パブリック・ブロックチェーンが提供しない「基本的な金融プライバシー」をユーザーに与えると主張した。
簡単に言うと、コインジョインは、全ての当事者が同量の暗号資産を出し入れする一種の共同ビットコイン・トランザクションだが、トランザクション内でアドレスが混ざるため、コインの出所を追跡することが困難になる。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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