アルゼンチン中銀、デジタルペソ法案提出に向けての取り組みに着手(再掲)

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 セルヒオ・マッサ経済相が財政拡大のためにデジタル技術を活用すると提案してから、アルゼンチンではCBDC(中央銀行デジタル通貨)導入の可能性について多くの議論がなされてきた。

 アルゼンチン中央銀行は、デジタル通貨導入を推進する計画を明らかにし、「できるだけ早く」法案を提出することを目指している。

 アルゼンチン中銀のファン・アグスティン・ダッテリス・ノゲラ理事は地元メディアFiloに対し、デジタルペソの法的枠組みに関する取り組みを開始したと語った。

 ノゲラ理事はCBDC構想が出現してからそれについて肯定的な立場をとっており、その動きのすべての段階において意欲を示している。同氏は、この枠組みは「できるだけ早く」アルゼンチン議会に提出される予定であると述べている。

 ノゲラ理事は、マッサ氏の動きと現在の経済問題を解決するための同氏のアプローチを称賛する一方、民間暗号資産(仮想通貨)の使用と経済のドル化を伴う代替案を批判している。

 ノゲラ理事は4日、デジタルペソは取引を追跡することで税金の網を広げることができるため、徴税に役立てることができると主張。

 「デジタル通貨を使った取引のトレーサビリティを確保することで、誰が行ったかはわからないが、それが行われたという証拠が残るため、課税ベースが広がる。これにより、税金を上げることなく、そしてたとえ下げたとしても、より多くの税金を集めることができる」と述べた。

●アルゼンチンのインフレ崩壊

 アルゼンチン大統領選挙までの数週間は、経済と市場引き締めの流れを変える方法に関する話題で持ちきりとなっている。

 インフレ率が3ケタに達する中、政治家や政策観測筋は、国の成長に拍車をかけるため、これまでとは全く違った観点から策を練っている。

 ビットコイン(BTC)肯定派の有力候補であるハビエル・ミレイ氏は、国の中央銀行の廃止を求めるなど、国の財政難の原因として政治家と中央銀行を非難している。

 アルゼンチンのインフレ率は世界第3位であり、これを受けミレイ氏は政治家による伝統的な手法と法定通貨に反対する見解を示している。

 対して、ミレイ氏の主な対立候補であるマッサ経済相は、経済のドル化に反対する愛国者に結集を呼び掛け、正しい方向への一歩としてCBDCを支持している。

 「われわれは、アルゼンチンでデジタル通貨を導入する。海外で資金を保有する人々がそれを持ち帰り、新たな税金を伴わずに自由に使えるようにするロンダリング法とともに、アルゼンチン全土でグローバルに実行するつもりだ」

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/argentinas-central-bank-kicks-off-efforts-toward-digital-peso-bill.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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