ブラジルのUSDT取引量、全暗号資産取引の合計を上回る
ブラジルの税務当局の報告書によると、同国のテザー(USDT)取引量は21年以降急増している。他のステーブルコインの中でもテザーが突出しており、同じ期間のビットコイン(BTC)取引量を上回っている。
「ステーブルコインの中でも、テザーと呼ばれる暗号資産(仮想通貨)が突出しており、税務当局が観測した期間内では、同じ期間のビットコイン取引量(1510億レアル超)の2倍近くに相当する計2710億レアル超が取引された」
ブラジル歳入庁のデータによると、同国における暗号資産取引の80%がテザーに関連している。これにより、テザーは23年に最も取引されたデジタル資産となっている。
この報告書では、「23年の部分的なデータのみから判断すると、報告された暗号資産の動きの80%がテザーに関連している」ことが明らかになった。興味深いことに、同通貨の取引量は22年に取引された他の全暗号資産の合計を上回っている。
この傾向は、IMF(国際通貨基金)の最近の警告を補完するものだ。IMFは、特に発展途上国においてステーブルコインが「公式な通貨に取って代わり、国家の金融政策に重大な影響を与える可能性がある」と指摘している。
ブラジル歳入庁は、AI(人工知能)やネットワーク分析などの高度な手法を用いてステーブルコインの成長を追跡している。報告書によると、このツールにはオペレーター間の関係を表示するための新機能が追加されたばかりだという。
●ブラジルのステーブルコインの転換点
高いインフレ率とブラジル・レアルの継続的な通貨安で、21年以降、ステーブルコインの取引量は3倍になっている。
同庁は以前、21年1月から11月の間に住民がステーブルコインで114億ドルの取引を行ったと報告していた。この取引量は、20年の総取引量の3倍近くに相当する。
ブラジルにおけるインフレ率の上昇が、このステーブルコイン購入現象の一因だ。21年の同国のインフレ率は10.06%で、15年以来最高水準となった。
もう1つの理由は、ブラジル国民は外貨購入時に金融取引税を支払わなければならない点にある。しかし、ステーブルコインにはこの税は適用されない。
ブラジルにおけるテザーの普及は、ダイ(DAI)がより注目を集めているアルゼンチンなどの他のラテンアメリカ諸国とは対照的だ。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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