カンボジアのデジタル通貨「バコン」、アリペイと提携で規模拡大へ
NBC(カンボジア国立銀行)が運用するカンボジアのデジタル通貨システム「バコン」は、クロスボーダー決済を強化するため、中国の決済プロバイダーであるアリペイとMoU(覚書)を締結したと、カンボジアのプノンペンポストが報じた。
MoUの締結により、カンボジアの販売業者は、バコンシステムのKHQRネットワークのQRコードを使って、世界8000万以上のアリペイ加盟店で支払いを行えるようになり、カンボジアと中国間のクロスボーダー決済の拡大を促進することになる。
また、アリペイを利用する中国人観光客は、加盟店でバコンシステムのQRコードをスキャンすれば、カンボジアで買い物をすることができる。
シンガポールで開催された「フィンテック・エキスポ」で署名されたこのMoUは、KHQRネットワークとアリペイ+の間において、QRコードを使った効率的で安全なクロスボーダー決済取引を促進することを目的としている。
バコンシステムはブロックジェーン上に構築されているが、流通トークンが中央銀行でなく商業銀行の負債であるため、従来のCBDC(中央銀行デジタル通貨)ではないとされている。
●中国人観光客の間で人気が高まるカンボジア
NBCのチア・セレイ総裁は、特にカンボジアが中国人・外国人観光客の間で人気が高まっていることから、この提携の重要性を強調した。
この提携により、現地通貨リエル(KHR)と米ドル(USD)両通貨での支払いが容易になる。
アント・グループのシニアバイスプレジデントでアリペイ+責任者であるダグラス・フィーギン氏は、アリペイのパートナーがKHQRネットワーク上で決済を行う能力を強化するものであるとし、今回の提携に感謝の意を表明した。
「アリペイ+の決済パートナーがKHQRのネットワーク上で利用できるようになるということで、NBCの協力とサポートに感謝している。これにより、可能な限り使い慣れた支払い方法で『現地人のように支払いたい』と願う観光客に、さらなる利便性を提供できると考えている」と同氏は述べた。
同様に、ABA銀行の広報およびCSR部門の責任者であるキム・サンボ・ロタナ氏は、カンボジア法定通貨の利用促進に向けた前向きな一歩として、このMoUを歓迎した。
23年上半期、バコンの取引数は3540万件以上を記録し、その額は120億ドルを超えた。
この金額はカンボジアのGDP(国内総生産)の約67%に相当する。
バコンはカンボジアのほか、ベトナム、タイ、マレーシアでもすでに利用されている。
(イメージ写真提供:123RF)
This story originally appeared on cryptonews.com.
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