テンセントとファーウェイ、中国政府による暗号資産規制のなかWeb3分野で積極的な動き(再掲)

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 中国大手テック企業であるテンセントとファーウェイは、中国政府により厳しい暗号資産(仮想通貨)取引規制が敷かれる中、Web3分野で顕著な動きを見せている。

 TechCrunchの報道によると、PoS(プルーフオブステーク)プロトコルに携わる著名人らが参加する「ステーキング・サミット」がイスタンブールで2日間にわたり開催された。同イベントには、テンセントとファーウェイが業界専門家らとともにブースを出展。

 この1年間、アリババ、テンセント、ファーウェイといった中国ハイテク大手が、公式スポンサーや参加者として、世界中さまざまな暗号資産イベントに姿を現す機会が増えている。

 中国政府が暗号資産を禁止しているため、これらの企業の関与はWeb2とWeb3の中間にあるが、同社らは既存のハイテク産業にクラウドサービスを提供するのと同様に、自社のコンピューティングリソースを活用し、Web3分野の新興企業にサービスを提供している。

 分散型ネットワーク向けのクラウド費用はまだ比較的安価であるが、中国のクラウドプロバイダーは暗号資産分野に積極的に進出している。

 「世界のクラウド市場において劣勢にある中国企業は、特に欧米でのブランド認知度が低いため、顧客に対してかなり積極的かつ柔軟に対応している」と同メディアは指摘した。

 「したがって、より安く、より良いサービスを提供することで競争しなければならない」

 クラウドインフラの提供に加え、中国企業は主力製品以外の分野にも進出しており、暗号資産ネイティブ企業と直接競争しようとしている。

 例えば、中国では暗号資産に対する取り締まりが行われているため、中国企業はトークンに大きく依存するパブリックブロックチェーン領域を避け、エンタープライズブロックチェーン(許可型ブロックチェーン)の開発に携わっている。

 中国のハイテク大手の中には、NaaS(ノード・アズ・ア・サービス)事業を展開しているものもある。

 ブロックチェーンは分散ノード上で動作するため、維持にコストがかかったり、複雑化することがある。

 この問題に対処するため、ファーウェイなどの企業はノードホスティングサービスを提供し、高度な技術的専門知識を持たない企業でも分散型アプリを構築できるようにしている。

●中国のハイテク大手、暗号資産プロジェクトと提携

 テンセントとアリババは、Web3分野で活躍する中国ハイテク大手のパイオニアとして、同業界における名声を高めるため、有名プロジェクトと提携を結んでいる。

 テンセントはSui、アバランチ、イーサリアム(ETH)のスケーリングソリューションScrollなどのパブリックブロックチェーンと協業している。

 一方、アリババは、元メタ社員が開発したブロックチェーンAptosと協力し、Web3世界での存在感を高めている。

 両社は最近、プログラミング言語Moveを活用したハッカソンをアジア太平洋地域で共同開催すると発表した。

 現在、Web3は中国ハイテク大手の売上高に大きな影響は与えていない。

 しかし、これら企業はWeb3産業の計り知れない可能性を認識しており、市場ボラティリティやFTXのような大手企業の倒産にもかかわらず、この機会を見過ごすわけにはいかないと考えている。

 報じられている通り、北京市科学技術委員会は5月、Web3業界におけるイノベーションと開発を促進する目的でホワイトペーパーを発表した。

 中関村サイエンスパーク管理委員会としても知られる北京市科学技術委員会は、「Web3イノベーションと開発に関するホワイトペーパー」と題された同文書を中関村フォーラムで発表した。

 同委員会は、25年まで毎年最低1億人民元(1400万ドル)を投資することで、北京を世界的なイノベーションハブとして確立することを目指している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/tencent-huawei-make-bold-moves-in-web3-amid-chinas-crypto-constraints.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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