スペインの暗号資産投資家、当局のガイドライン改訂で海外取引所でのデジタル資産を申告へ

20143900_s_抽象的.jpg

 スペイン税務署は、国内における暗号資産(仮想通貨)申告に関する新たな規定を発表した。これにより、暗号資産保有者は海外で保有する資産を申告することが義務付けられることになる。

 税務署は、スペイン国外の取引所で資産を保有するユーザー向けの税務報告書フォーム721を発表した。同フォームの提出期間は24年1月1日に開始し、提出期限は24年3月31日となっている。

 法人および個人は、各自のポートフォリオに応じた適切なフォームで保有資産を申告しなければならない。フォーム721はスペイン国外の取引所を対象としているが、自己管理型ウォレットを利用するユーザーは、標準的な富裕税フォームであるフォーム714を使って保有資産を申告する必要がある。

 新規定の下での個人の基準は、5万ユーロ(約5万5000ドル)を超える海外資産を保有するものとされている。

●スペインと暗号資産税

 スペインは、政府が国内の暗号資産保有者による過少申告を阻止するための取り締まりを開始してから、より広範な暗号資産税規制を導入する傾向にある。

 同国は4月、前年度に暗号資産税の納付を怠った国民に32万8000件の通知を出した。過去3年において納税額が前年比で増加しているにもかかわらず、税務署はその数字に満足していないようだ。

 23年の未納通知件数は40%増の32万8000件だった。一方、22年は15万件で、21年の1万5000件の通知件数から大幅に増加した。

 「徐々に増加している理由は、スペイン税務署が暗号資産を使用した業務について持つ情報が増加しているからであり、24年は暗号資産取引所を対象とした新たな申告義務によりその情報はさらに増加することになるだろう」

 暗号資産への課税に関する規制当局の大きな課題は、暗号資産が持つ性質が原因となっている。実際に提起されている問題は、国民が保有する正確な金額を政府がどのように把握するつもりなのかということだ。これには、中央集権型取引所との協力が必要となる。

 ここ数年、規制当局が監視を拡大する中、ユーザーは分散型取引所やプライバシーコインを利用して資産を保有するなど、あらゆる方法を模索してきた。

 コインレジャーのデイビット・ケンメラーCEO(最高経営責任者)によると、スペイン税務署は取引所に直接情報を要求する可能性が高いという。

 「スペイン政府は、暗号資産の納税コンプライアンスが他の資産クラスに比べて低いことを認識しているようだ。警告文書の発行は、税務基準における税務コンプライアンスを推進するための1つの方法である」と同氏は述べた。

 複数の税務当局が規制を導入する中、ユーザーはその動きに対して複雑な感情を抱いている。過剰な課税は特に弱気市場においての導入を妨げると指摘する声がある一方で、規制順守に重要なものだと主張する声もある。

 スペインは23年、MiCA(暗号資産市場規制)の包括的な枠組みを推進するなど、暗号資産規制に向けたさまざまな取り組みを行っている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/spains-crypto-users-to-declare-digital-assets-on-foreign-platforms-as-tax-agency-updates-guidelines.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

最新記事
ランキングページ
ビットコイン詳細ページ
イーサ詳細ページ
XRP詳細ページ