ビットコインETFが好調な一方、金ETFは24億ドルの資金流出(再掲)

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 24年に入り、ビットコイン(BTC)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)が力強い資金流入を記録している一方で、金ETFは大規模な資金流出に見舞われている。

 ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリストであるエリック・バルチュナス氏によると、24年2月時点、14件の金ETFでは24億ドルの資金流出が発生している。

 金ETFの中で、24年に資金流入があったのは「ヴァンエック・メルク・ゴールド・シェアーズ」、「FTベスト・ゴールド・ストラテジー・ターゲット・インカムETF」、「プロシェアーズ・ウルトラショート・ゴールド」のわずか3件のみだった。

 最大の資金流出を記録したのは、ブラックロックの「iシェアーズ・ゴールド・トラスト・マイクロ」および「iシェアーズ・ゴールド・トラスト」で、それぞれ2億3040万ドル、4億2360万ドルの流出となった。

●ビットコインETFに約40億ドルの資金流入

 対して、ファーサイドの暫定データによると、承認された10件のビットコインETFは、24年に合計38億9000万ドルの資金流入があり、記録的な取引量を達成した。

 この投資家心理の差は、投資手段として金よりもビットコインが好まれている傾向を浮き彫りにしている。

 金ETFからの流出資金は必ずしもビットコインETFに直接流入しているわけではなく、むしろFOMO(取り残される恐怖)に駆られて米国株に流れているとの見方もある。

 24年の金価格の下落はこの差をさらに拡大させた。

 金価格は年初来で3.4%下落し、14日には1オンス=1993ドルと2カ月ぶりの安値をつけた。

 一方でビットコインは同期間23.5%上昇し、同日2年ぶりの高値である1BTC=5万2483ドルに達した。

 ワールドゴールドカウンシルは最新の報告書で、金価格が低迷している要因として、世界的な金ETFの資金流出と投機的なポジションの縮小を挙げている。

 さらに、米国経済の意外な上振れを背景に、長期国債と米ドル高が逆風となったと指摘した。

 金とビットコインはしばしば、経済的・地政学的な不確実性が高い時に安全資産として比較されている。

 ブルームバーグのシニアコモディティストラテジストのマイク・マクグローン氏は、金は24年にビットコインよりも優れた値動きを示すだろうと予測していたが、現時点では異なる結果となっている。

 より高いリターンが期待できるビットコインが選好されている状況は、投資家心理が暗号資産(仮想通貨)へと移行していることを示唆している。

●現物ETF、マイニング生産量の10倍のビットコインを引き付ける

 報じられている通り、現物ビットコインETFは12日、マイニング量の10倍以上のビットコインを引き付けた。

 12日、約4億9340万ドル(約1万280BTC)が現物ビットコインETFに流入した。

 このうち、ブラックロックのIBITが3億7470万ドルの流入を記録し、圧倒的首位を獲得した。

 次いでフィデリティのFBTCには1億5190万ドル、アーク21シェアーズのARKBには4000万ドルが流入した。

 こうした大規模な資金流入にもかかわらず、グレイスケールからは9500万ドル、インベスコのBTCOからは2080万ドルが流出し、結果として純資金流入額は約5億ドルとなった。

 一方、ビットコインマイナーは同日、約1059BTC(約5100万ドル相当)を生産。これは、現物ETFに流入したビットコインのわずか10%に過ぎない。

 同様の傾向は9日にもみられており、現物ETFに約1万2700BTC(5億4150万ドル)が流入したのに対し、マイニング量はわずか980BTC(約4500万ドル)だった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/gold-etfs-see-2-4-billion-in-outflows-while-bitcoin-etfs-thrive.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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