米下院金融サービス委員会、SAB121を覆す決議案に賛成

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 米下院金融サービス委員会は29日、物議を醸しているSEC(米証券取引委員会)のデジタル資産会計公報SAB121を「覆す」決議案を採択した。

 マイク・フラッド下院議員(共和党、ネブラスカ州選出)とワイリー・ニッケル下院議員(民主党、ノースカロライナ州選出)が提出した同決議案は、金融サービス委員会所属議員の過半数が賛成票を投じた。SAB121として知られる同公報は、銀行が保管する暗号資産(仮想通貨)をバランスシート上に記録することを強制し、銀行によるデジタル資産エコシステムへの参入を事実上制限するものである。

●SAB121、銀行業界に「深刻な影響」をもたらす

 フラッド議員は、SAB121が銀行業界全体に深刻な影響を及ぼすとして、同公報への不支持を表明している。

 「銀行にこれら資産をバランスシート上に保有することを要求することの影響はかなり大きい。銀行がSAB121の指針に従いデジタル資産を保管する場合、バランスシート上での処理は、資本や流動性要件といった他の規制上の義務に影響を与えるだろう。その結果、銀行は暗号資産を保管することでバランスシートを膨れ上がらせ、他のあらゆる業務に深刻な影響を与えるか、市場から撤退するかのどちらかを選択せざるを得なくなる」と同氏は述べた。

●銀行、カストディアンとして現物ビットコインETFへ参入することに意欲

 フラッド氏はさらに、銀行がSAB121の下で現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)のカストディアンとしての役割を果たすことが妨げられているという事実を問題視した。

 「これは、厳しい規制を受け、カストディに関する専門知識を持つカストディアン銀行の必要性が高まっている状況だ。現状では、11件のビットコインETFのカストディアンは合計4つしかおらず、それらはすべてノンバンクである」と同氏は述べた。

 しかし、委員会に出席した全員がフラッド議員とワイリー議員の決議案に賛成したわけではない。

 マキシン・ウォーターズ下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は、委員会がSAB121を批判したことに軽蔑の意を表した。

 ウォーターズ議員は、「この公報は、企業が顧客の暗号資産をどのように会計処理すべきかを明確にすることを目的とした、法的拘束力のないSECの職員ガイダンスである。共和党議員や暗号資産業界はSECの明確性の欠如についてしばしば不満を漏らしているが、皮肉なことに、この決議案はSEC職員が暗号資産に関する明確性を提供することを事実上阻止している」と指摘した。

●SAB121を覆す決議案が前進

 金融サービス委員会による採択の数週間前、米国の大手銀行を代表する業界団体連合は、SAB121が銀行エコシステムの「安全性と安定性に関する重要な問題」を提起しているとして、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長に公報を修正するよう要請していた。

 決議案は今後、下院の本会議で採択される予定だ。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/house-financial-services-committee-votes-in-favor-of-resolution-to-overturn-secs-sab-121.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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