グレイスケール、GBTCの資金流出止めるため「ミニ」ビットコイン現物ETFを申請

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 暗号資産(仮想通貨)運用会社のグレイスケールは、急速に加速する資産の流出を止めるため、全く新たなビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)を立ち上げる計画だ。

 12日に米SEC(証券取引委員会)に提出されたグレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラスト(ティッカーシンボル:BTC)は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の「スピンオフ」として立ち上げられ、GBTCの資産の一部を受け継ぐものになるという。

●グレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラストとは?
 
 既存のGBTC株主の損失を補うため、新たなファンドの株式はGBTC投資家に分配される。GBTCと同様、ミニビットコイン現物ETFの株式はビットコインに裏付けられ、ビットコインへの直接的なエクスポージャーを提供する。

 「このスピンオフファンドはGBTCやその株主にとって税金がかからないものとなる予定だ」と申請書には記載されている。

 両ファンドは機能的には同じであるため、新たなファンドを立ち上げた理由については疑問が残る。グレイスケールの意図の全容は不明だが、アナリストらは新たなファンドの管理手数料と関係があるとみている。新ファンドの手数料についてはまだ明らかにされていない。

 ブルームバーグのETFアナリストであるジェームズ・セイファート氏は、「これらの株式のかなりの部分が、より安価でコスト競争力のある商品に非課税で移行するイベントになることは間違いない。競争力のある手数料になるだろう」と述べた。

 同氏の同僚であるエリック・バルチュナス氏も同様の見解を示した。

 「グレイスケールはGBTCの低手数料ミニ版であるグレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラストを立ち上げる。GBTC投資家は、特別配当であるため税金がかからない(と思う)」とバルチュナス氏はXで述べた。

●グレイスケールの大量資金流出
 
 現在、GBTCの年間管理手数料は1.5%となっている。

 ETFに転換する前の2%から下がったとはいえ、競合他社が設定する手数料よりははるかに高額だ。例えば、ブラックロックの手数料は0.25%で、ヴァンエックは最近、25年までゼロにすると発表した。

 この手数料の差により、新規投資家にとって他のファンドに対してGBTCに参入する理由はなくなってしまった。そのため、競合他社が市場に登場して以来、GBTCは22万9000BTCを失い、資金流入を記録した日は1日もない。過去15年間において、GBTCの流出額はすべてのETFの中で2番目に多く、有名企業という優位性があるにもかかわらず、ビットコイン保有量は9社の競合他社よりも少なくなっている。

 既存投資家がGBTCに投資を続ける唯一のインセンティブは、投資を止めれば税金が発生する可能性があることだ。バルチュナス氏は、これがGBTC保有者をいら立たせていると考えている。グレイスケールがGBTCの手数料を全面的に引き下げた場合、親会社であるデジタル・カレンシー・グループの暗号資産帝国を支える収益の大半が失われることになる。

 バルチュナス氏は、「この方法であれば、1.5%という儲けの多い手数料を維持しながら、投資家を少しなだめることができる。また、1.5%の手数料と言えば即座に取引破断となり得るアドバイザーと商談する際、営業担当者は競争力を持つものとしてグレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラストを提示することができる」と説明した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/grayscale-files-for-mini-bitcoin-spot-etf-to-stop-gbtc-bleed.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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