SECのゲンスラー委員長、暗号資産市場には透明性が必要と主張

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 SEC(米証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー委員長は、暗号資産(仮想通貨)業界参加者が規制当局への登録要件を回避していると批判した。

 ゲンスラー氏はコロンビア大学ロースクールでの講演で、最高裁判事ルイス・ブランダイス氏の「日光は最高の消毒薬」という言葉を引用し、市場参加者による情報開示義務の重要性を強調した。

 ゲンスラー氏は、暗号資産市場の一部参加者が登録要件を逃れようとしており、その結果として強制的な開示が十分に行われていないと懸念を表明した。

 同氏は、暗号資産市場における透明性の必要性を強調し、いくつかの「消毒措置」が業界に利益をもたらす可能性があると指摘した。

●ゲイリー・ゲンスラー委員長、暗号資産企業との戦いに挑む

 過去1年間、SECは暗号資産企業に対して数多くの訴訟を起こしており、ゲンスラー委員長は一貫して、ほとんどの暗号資産は証券に分類されるべきであると主張している。

 そのひとつが、FTX共同創設者のサム・バンクマン=フリード氏に対する民事訴訟である。

 その他にも、SECはバイナンスや同社CEO(最高経営責任者)のチャンポン・ジャオ氏、コインベースなど、その他大手暗号資産企業に対しても訴訟を起こしている。

 多くの業界関係者や支持団体は、米国内のイノベーションを促進するために明確な規制ガイドラインを確立するようSECに求めている。

 SECは、イーサリアム(ETH)を規制対象の有価証券に分類するための活動の一環として、召喚状を発出したと報じられている。

 ゲンスラー氏は、「SECの情報開示体制を崩そうとする者はまだいる」と述べた。

 「暗号資産証券市場には、こうした登録要件を回避しようとする参加者がいる。登録がないということは、情報開示が義務付けられていないということだ。暗号資産市場には消毒薬が必要であるということに多くの人が同意するだろう」と同氏は述べた。

 SECは近年、1月に初めて承認された現物ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)やイーサリアムおよびビットコイン先物に関連する投資商品など、米国取引所における暗号資産関連の上場商品を承認している。

●SEC、先物イーサリアムETFの承認判断を延期

 SECはグレイスケールのイーサリアム先物トラストETFの承認判断を再び延期した。

 SECは、3月31日の期限を5月30日に延期すると発表した。

 デジタル資産運用会社グレイスケールが提案する同ETFは、イーサリアム先物契約に投資することを目的としている。

 SECの判断延期の決定は、23年12月の延期に続くものである。委員会はこの間にETFの上場是非についてのパブリックコメントを募集していた。

 グレイスケールは、23年9月にNYSE(ニューヨーク証券取引所)アルカの規則8.200-Eに基づき、イーサリアム先物トラストETF株式の上場と売買を提案していた。

 ブルームバーグのETFアナリストであるジェームズ・セイファート氏によると、グレイスケールの先物ETF申請は、SECの現物イーサリアムETFの承認判断に影響を与えるための戦略的計画である可能性があるという。

 SECがグレイスケールの先物ETFを承認すれば、同社の現物ETF申請の承認に対する議論が強化される可能性があるとした。

 さらに、SECはグレイスケールのイーサリアムETFについての判断も延期しており、1月25日に申請に対するパブリックコメントの募集を開始している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-markets-require-transparency-says-sec-chair-gary-gensler.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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