コインベース、オーストラリアで成長する6000億ドルの年金基金を狙う

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 コインベース取引所が、オーストラリアの6000億ドルの自己管理型年金分野を狙ったサービスの開発という大きな計画を立てている、とブルームバーグが報じた。

 米国最大の暗号資産(仮想通貨)取引所である同社は、暗号資産商品に対する満たされていない需要を引き出すための特別サービスを開発しているという。コインベースでアジア太平洋地域担当マネージング・ディレクターを務めるジョン・オローレン氏が認めた。

 「自己管理型のスーパーファンドは、一度だけ配分を行い、それを設定しそのままにする場合がある。私たちは、そうした顧客への単発のサービスを提供し、彼らに取引を行わせ定着させるための商品に取り組んでいる」

 オーストラリア税務局の最新データによると、自己管理型年金のポートフォリオは、同国の2.5兆ドルの年金システムの4分の1を占めている。これには、暗号資産に割り当てられた10億豪ドル(6億6400万ドル)が含まれている。この金額は21年の最高値である15億豪ドルから減少している。

 この減少は、オーストラリアの機関資金運用者の一部が、過去のスキャンダルや高いボラティリティを考慮し、暗号資産分野から距離を置いていることが一因かもしれない。しかし、オーストラリアでの暗号資産ETF(上場投資信託)立ち上げへの議論や、ビットコイン(BTC)の高騰といった最近の変化で、自己管理型退職年金基金における暗号資産の保有量は大幅に増加している。

●オーストラリアの自己管理型年金分野、暗号資産投資で大金を失う

 一方、民間資金運用会社のトップを務めるマイケル・フーリハン氏は、高リスク資産への多額の出資を避けるよう投資家に警告した。

 「ポートフォリオの大部分をこうした高リスク資産に割り当てたいとは思わないだろう」と同氏は述べた。暗号資産に関心を持つ投資家は通常、口座残高の少ない40代だとフーリハン氏は付け加えた。

 これは過去の事例にも当てはまる。例えば、23年には数千人のオーストラリア国民が自己管理型年金基金を使って暗号資産に投資し、多額の損失を出した。

 こうした高リスクの投資は、もともと退職後の十分な収入を確保するために設定された制度における貯蓄を危険に晒した。ロイターの23年の分析によると、これらの投資は専門的に運用される基金を監督する健全性規制当局の管轄外だという。

 世界の他の地域では、自由な自己管理型の年金分野には何らかの規制が伴う。英国では、自己管理型年金基金はビットコインやその他の暗号資産に直接投資することができない。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/coinbase-eyes-australias-growing-600b-pension-fund.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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