仮想通貨取引所ビットメックス、米銀行秘密法違反で有罪認める
●ビットメックスに対して新たな有罪認定
米ニューヨーク南部地区のダミアン・ウィリアムズ連邦検事は10日、暗号資産(仮想通貨)取引所Bitmex(ビットメックス)が銀行秘密法違反の罪を認めたと発表した。
ビットメックス側は、この認定は過去の経営状態に関連するもので、運営改善はすでに完了しているとの声明を出している。
連邦検事は、ビットメックスが適切なマネーロンダリング防止(AML)プログラムを確立、実装、維持することを故意に怠っていたとしている。
ビットメックスはその取引所を大規模なマネーロンダリングや経済制裁回避の手段となるような状態にして、金融システムの健全性に深刻な脅威をもたらしたとも続けた。罰金など刑罰の詳細については、裁判官の決定を待っている状態だ。
ビットメックスは以前米国のトレーダーにサービスを提供し、米国にオフィスを構えていた。このため、米商品先物取引委員会(CFTC)に登録して、適切なAMLプログラムを運営することが義務付けられていた。
しかし検事によると、ビットメックスは取引所サービス提供の際、顧客に電子メールアドレス以外の情報を要求していなかった。幹部は米国在住の顧客が2018年頃までビットメックスにアクセスできたことを知っていたとされる。
なお、2021年時点で本件に関してビットメックスは、米CFTCおよび米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)との裁判で和解し、適切な顧客身元確認(KYC)プロセスを設置していなかったとして100億円超の罰金を支払った。
また、2022年には、ビットメックスの元CEOであったアーサー・ヘイズ氏と共同設立者のベンジャミン・デロ氏が裁判で個人的に銀行秘密法違反を認め、罰金としてそれぞれ約11億円を支払っている。
これらに追加された今回の有罪認定は、ビットメックスという企業自体についても銀行秘密法違反を認めるものだ。
●ビットメックスは「運営改善は完了」と声明
ビットメックスも、連邦検事の発表を受けて声明を出した。今回の有罪認定は過去の事例に関するものであり、ビットメックスはすでに運営を完全に改善していると強調している。
また、すでにCFTCらとの裁判の和解でビットメックスに科された罰金、および銀行秘密法違反を認めた旧経営陣らに科された罰金を考えると、これ以上の金額を支払うことが求められるべきではないと主張した。
コンプライアンスについては2020年に、米国人がビットメックスで取引できないようにする、独立監査人によって検査済のユーザー検証プログラムを実装していると述べた。世界中の主要な金融センターでもKYC/AMLプログラムの独立監査を受けていると続けている。
さらに、今回の有罪認定がビットメックスの事業運営に影響することはないとも述べた。
(イメージ写真提供:123RF)
CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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