コインベース、SECに対する重要文書提出の申し立てを裁判所が承認(再掲)

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 暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースは、米SEC(証券取引委員会)に対して部分的勝利を収めた。これにより同社は、同委員会がトークンを証券として分類していることに関する重要文書にアクセスできる可能性がある。

 5日、ニューヨーク南部地区連邦裁判所のキャサリン・ポーク・ファイラ判事は、SECに文書提出を強制するコインベースの申し立てを部分的に承認した。

 コインベースは、デジタル資産に対するSECの見解に関する文書公開の範囲を巡り、7月にSECに対して申し立てを行っていた。

●SEC、訴訟における「重要な文書公開」へ

 コインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル氏は、今回の判決を受けて、SECはこの訴訟において「重要な文書公開」を行うことになるという。

 SECは23年6月、未登録の証券取引所、ブローカー、清算機関として運営しているとして、コインベースを提訴した。
 
 7月23日に提出されたコインベースの申し立てでは、SECに対し、デジタル資産への証券法の適用、同社の新規株式公開、ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長の発言に関する文書を求めている。

 しかしSECは、コインベースの要求は過度に広範であり、民事訴訟には関係のない資料を求めていると主張した。

 この裁判の結果は、コインベースだけでなく、暗号資産業界全体にとっても重要なものとなる。

 SECのコインベースに対する訴訟は、他の企業がどのように規制されるかの前例となり、現在行われている多くの強制捜査に影響を与える可能性がある。

 例えば、8月に下された最近の判決では、SECとの長期にわたる法廷闘争において、リップル・ラボに1億2500万ドルの支払い責任があるとされた。

 コインベースの部分的勝利の他にもうひとつ注目すべき動きとして、ニュージャージー州の判事が、コインベースに対する集団訴訟を進めることを投資家グループに認める判決を下した。

 この投資家グループは、コインベースが同社プラットフォームに掲載されている資産が有価証券である可能性が高いことを隠し、会社の成長と収益に貢献させたと訴えている。

 この判決により、さまざまな地域でも同様の集団訴訟が相次ぐ可能性がある。

●SECへの批判高まる
 
 一方、SECは暗号資産業界に対する「規制による取り締まり」というアプローチにより、批判の高まりに直面している

 批判家らは、SECが暗号資産に対する明確な規制の枠組みを確立することに失敗し、その代わりに主要な業界プレイヤーに対して法的措置を追求することを選んだと主張している。

 報じられている通り、米国7州の連合体が、SECの暗号資産規制に異議を唱えるために結束した。

 アイオワ州のブレンナ・バード司法長官が率いるこれらの州は、SECによる暗号資産規制はイノベーションを阻害し暗号資産業界を害する「権力拡大」であり、同委員会の権限を越えているとする「アミカス・ブリーフ」(裁判所などに当事者や参加人以外の第三者が提出する有用な意見や資料)を提出した。

 この連合体には、アーカンソー州、インディアナ州、カンザス州、モンタナ州、ネブラスカ州が含まれ、オクラホマ州も新たに加わった。

 SECのへスター・ピアース委員は24年、SECは現在、暗号資産規制に関して「法執行のみの状態」にあると語った。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/coinbase-achieves-partial-win-in-court-battle-against-sec-for-crucial-discovery/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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