ブラックロック、ビットコインETFの一部懸念をめぐりコインベースに契約修正を要求

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●ビットコインの迅速な引き出しへ

大手資産運用会社ブラックロックは、ビットコイン現物ETF「IBIT」に関して、カストディを担当しているコインベースとの契約内容を修正することを求めた。

これは、一部投資家がコインベースのオンチェーン決済において、透明性に欠ける慣行を行っているのではないかという懸念を抱いていることに起因する。

コインベースがETF発行者のために現物ビットコインではなく、ビットコインの借用証明書(IOU)を購入している可能性が示唆されており、ビットコイン(BTC)の市場価格に影響を与えているのではないかという批判を受けたものだ。

この点についてブラックロックは、次の対応を求めた。

『必要な最小残高が口座にあることを確認した後、コインベースのカストディは、クライアントまたはその代理人からの指示を受け取ってから12時間以内に、保管口座からパブリックブロックチェーンアドレスへとビットコインの引き出しを処理すること。』

今回の動きは、IBITへの投資家に、ビットコインの保有資産が適切に管理されており、顧客が出金したい時には過度の遅延がないことを示すのが目的とみられる。IBITをめぐる市場の懸念に対処するものだ。

暗号資産(仮想通貨)アナリストのタイラー・ダーデン氏は先日、コインベースはブラックロックのために、現物ビットコインではなく「ビットコインの借用証明書(IOU)を購入している」と主張していた。

ダーデン氏は、取引がオフチェーンで行われることで記録が残らず、ブラックロックがコインベースからビットコインを借りて空売りするなど相場操縦が可能になるとも述べていた。

ただし、商業訴訟を専門とするジョー・カルラサーレ弁護士は、ダーデン氏が唱えるような計画の実現可能性は「きわめて低い」と意見している。ETFの仕組み上、コインベース、ブラックロック、監査人、二つの会計事務所、少なくとも四つの法律事務所の関与が必要になると指摘する格好だ。

●コインベースCEOの反論

コインベースのブライアン・アームストロングCEOもダーデン氏の主張を真っ向から否定した。「コインベースが処理するETFの発行およびバーンは、最終的にオンチェーンで決済される」と述べた。

その上でアームストロング氏は、コインベースは機関投資家と秘密保持契約を結んでいるため、彼らのETFウォレットアドレスを公開することは控えている。彼らに代わりアドレスを公開する立場にもないとする形だ。

また、Deloitteによる毎年の監査を受けて適切に運営していることも強調した。

過去3か月でビットコインETFに新たな流入がある一方で、ビットコイン価格が停滞していることも、今回の噂が広まった背景にある。コインベースがETF分のビットコインについて実際に現物を購入せずに、ビットコイン価格を抑制しているのではないかとの憶測を呼んだ形だ。

ブルームバーグのシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏も、こうした噂を否定して、次のように見解を述べた。

https://x.com/EricBalchunas/status/1835076543204540430

"人々がETFをスケープゴートにしたい理由は理解できる。なぜなら、ネイティブHODLer(ビットコインの長期保有者)がビットコインを売っている可能性は考えにくいからだ。しかし、実際には彼らは売り手なのだ。ETFとブラックロックは、ビットコインの価格を何度も奈落の底から救ってきた。"

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=560619

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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