中国、デジタル人民元を公益事業に導入する都市増加

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 新たに中国のアモイ市と広州市が、市内の公益事業にデジタル人民元を導入する都市となった。地元のニュースメディアは、広州市の路面電車での支払いにデジタル人民元を利用できるようになると報じている。さらに、アモイ市の公共交通カードへのチャージにも使えるようになるという。

 これにより、アモイ市と広州市は、実証実験を開始した12都市へ新たに加わることとなった。中央銀行である中国人民銀行は1月、12都市でデジタル人民元を始動している。デジタル人民元アプリはたちまち、中国で最もダウンロードされたアプリの1つとなった。その後2月には、北京冬季五輪の期間中も利用することができた。

 中国人民銀行は4月、デジタル人民元の実証実験に11都市を追加すると発表。このような段階的な発表から、中国政府がCBDC(中央銀行デジタル通貨)の全面的な実証実験を目指し、段階的な導入を計画しているのではないかという観測が広がっている。政府はデジタル人民元を全面的に導入する準備を進めているが、その時期についてはまだ発表されていない。

●交通網におけるデジタル人民元の展開

 現在、海珠区の路面電車の第1路線を利用する広州市民は、発券ゲートでQRコードを読み取ることで、人民元ウォレットを使って運賃を支払うことができる。報道によると、毎日数十件以上の利用があるという。広州市電は、新たな決済システムの利用者を増やすために、宣伝活動を計画しているとのことだ。

 アモン市については、バスや地下鉄の運賃をデジタル通貨で支払うことができるようになった。同市のバスとメトロの電子交通カードを持つ利用者は、デジタル人民元を使って簡単にカードにチャージすることができる。QRコードを使って決済することも可能だという。

 導入を促進するため、6月5日まで地下鉄の乗車料金をデジタル人民元ウォレットから支払うと、10%の割引が適用される。パスワード不要の支払いやデジタル人民元ウォレットアプリを使ったスワイプ決済も計画されている。

 デジタル人民元の利用率は、21年の記録を大きく上回る勢いだ。21年末、年間取引量は138億ドル余りだった。22年に入り、取引量はすでに110億ドルを突破。デジタル人民元ウォレットのユニークユーザー数も2億6100万を超えた。

 2つのアジア大会を間近に控えた今も、本格始動までにデジタル人民元の導入がどこまで進むかは不明なままである。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/chinese-cities-digital-yuan-utility/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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