暗号資産市場、1カ月余りで8000億ドル失う

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 暗号資産(仮想通貨)市場全体が大不況に陥っており、わずか1カ月余りで33%の評価額を失っている。

 22年4月以降、暗号資産市場では広範囲で売りが加速している。暗号資産市場全体では、わずか1カ月余りの間に評価額の3分の1、つまり8000億ドル以上を失った。

 世界最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は1カ月で25%以上下落し、4000億ドル近くの資産を減少させた。アルトコインでも、4000億ドル減少している。

 ビットコインは暗号資産市場の40%以上を構成している。しかし、ビットコイン価格は今週1BTC=3万ドルを割り込み、10カ月ぶりの安値を記録。ビットコインやその他暗号資産市場は、最近急落している米株式市場におおよそ連動した動きを示している。

 高まるインフレと利上げへの懸念が、米国株式に大きな圧力をかけている。その波及効果はビットコインや暗号資産全体にも及んでいる。オンチェーンデータプロバイダーのグラスノードのレポートには、次のようにある。

 「ビットコインは依然として広範な経済情勢との相関関係が高い。つまり、残念ながら少なくとも当面は前途が険しいものになるかもしれないということだ」

 しかし、最近のビットコイン下落を有利に生かす投資家もいる。エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領はビットコインの押し目買いを発表。500BTCを追加購入し、保有量は2300BTCを越えた。さらに、コインシェアーズのレポートによると、ビットコインには先週、4500万ドルが流入したという。

 同レポートには、「ビットコインは投資家心理がより前向きであった主要デジタル資産で、AUM(運用資産残高)が22年初めに地合いが冷え込んだ時と非常に近い水準まで減少し、合計4500万ドルが流入した」とある。

●暗号資産市場、軟化の兆しみせる

 22年に入ってから、暗号資産市場全体が軟化の兆しをみせている。ビットコインは重要な支持線を割り込み、複数のアルトコインも同様の動きを示している。

 ノルディア・アセット・マネジメントでシニアマクロストラテジストを務めるセバスチャン・ゲイリー氏は、暗号資産と高成長株の類似性を指摘している。したがって、中央銀行が金融引き締めを開始すると、暗号資産が圧力を受けることになるという。「非常に高い流動性が一部の暗号資産を膨張させた」とゲイリー氏は言う。

 一方で、テラのステーブルコインであるテラUSD(UST)が最近下落したことは、市場を揺るがしている。結果として、テラのネイティブ通貨テラ(LUNA)が80%以上下落し、11日朝には1LUNA=10ドル以下となっている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/800b-wiped-out-crypto-market/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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