ポルトガル、暗号資産利益に課税開始か

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 ポルトガル政府が暗号資産(仮想通貨)税の導入を検討しているということで、ポルトガルが「クリプトヘイブン(暗号資産の租税回避地)」であった時代は終わろうとしているようだ。同国のフェルナンド・メディナ財務大臣によると、他の国々に続いて適切な暗号資産規制を導入する意向だという。

 メディナ財務大臣は、「すでに課税システムを持つ国も多い。このテーマに関するモデルを構築しようとしている国も多く、われわれも構築するつもりだ。現時点では、日程については確約しないが、法律と税制を適応させる予定だ」と述べた。

 続けて、「より多くの知識と多くの進歩がある領域であるため、ポルトガルは各国の経験から学ぶことができる」と主張した。

 現在、ポルトガルは暗号資産を資産ではなく通貨とみなしている。つまり、暗号資産サービスを提供する企業は課税対象となるが、暗号資産に投資する個人は対象とならないということ。結果として、キャピタルゲイン率が実質上ゼロとなることから、ポルトガルは「クリプトヘイブン」と考えられていた。一方、ポルトガルの首都リスボンは、世界の暗号資産ハブとなっている。

 リスボンの法律事務所Abreu Advogadosの関連パートナーであるスサーナ・デュアルテ氏は、「特定の法律があるわけではなく、ポルトガルでは規則がないためゼロ課税となっただけだ。ポルトガル税務当局が16年に発表した見解と合わせて考えると、暗号資産関連企業だけが課税されるということになる」とコメントした。

 現在、ポルトガル居住者の場合、標準的なキャピタルゲイン税率は28%で、個人所得税は14.5%から48%。法人税は一律21%だが、地方税や州税などの付加税もある。メディナ財務大臣によると、暗号資産税の方針を決定する際、当局は「租税正義」と「有効性」の原則に従うということだ。

●主な暗号資産非課税国

 ポルトガルは、暗号資産の貯蓄に関心を持つ人々が移住を検討する、暗号資産非課税国の1つに過ぎない。他にも、ドイツ、ケイマン諸島、エルサルバドル、マレーシア、マルタ、スイス、プエルトリコ、ベラルーシ、シンガポールなどがある。

 例えば、ドイツはヨーロッパで最も税金の高い国の1つだが、暗号資産に関しては非常に興味深いアプローチを取っている。ドイツは暗号資産を資本資産とみなしていないのだ。つまり、暗号資産を1年以上保有し、その後売却するとした場合、1円も課税されないということになる。その上、ネットワークへのアクセス権や特定の商品の受け取りなど、特定の権利として機能する暗号資産であるユーティリティトークンを換金する際も、所得税は適用されない。

 もう1つの例は、21年9月にビットコイン(BTC)を法定通貨として受け入れる世界初の国となり、世界的なニュースとなったエルサルバドル。その結果、国民は食料品から家まで、あらゆるものをビットコインで購入できるようになった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/portugal-tax-crypto-gains/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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