G7が暗号資産規制を引き続き推進、すでに起きていることは

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 世界の先進国で構成されているG7の財務相や中央銀行総裁は、ステーブルコインのテラUSD(UST)暴落を受けて、暗号資産(仮想通貨)の包括的な規制を迅速に導入するよう再び呼びかけた。

 5月20日の「G7財務相・中央銀行総裁のピーターズバーグ声明」によると、暗号資産の発行機関およびサービスプロバイダーに対するこの規制は、ステーブルコインを含む暗号資産を「他の金融システムと同じ基準」で保有するという観点から行われるべきであるとされている。

 G7は、「あらゆる形態の暗号資産から生じる金融安定リスクを監視し、対処する」FSB(金融安定理事会)の活動を支持すると同時に、クロスボーダー決済などを含む暗号資産の利用に関連した規制問題に対処するため、世界的な協力が進むことを歓迎すると主張した。

 G7は、特にFATF(金融活動作業部会)の「トラベルルール」の迅速な実施と、「例えばステーブルコインを裏付ける準備資産などに関する」、開示と規制報告の強化を求めている。

 「われわれは、いかなるグローバルなステーブルコインプロジェクトも、適切な設計と適用可能な基準への順守を行い、関連する法律・規制・監督の要件に適切に対処するまで、運用を開始するべきではないということを再度主張する」

 G7の中央銀行は、物価圧力がインフレ期待に与える影響を「注意深く監視」しているとし、「回復を支え、国境を越えた負の波及効果を抑制することに留意しつつ、インフレ期待を安定させながら、データを基にした明確に伝えられる方法で、金融引き締めのペースを適切に調整し続けていく」と表明した。

 一方で、7カ国はそれぞれ暗号資産の規制枠組みの構築に取り組んでおり、各国の意見がまとまらない可能性もある。

 以下は、G7各国の最近の動きである。

●カナダ

 カナダ銀行はCBDC(中央銀行デジタル通貨)に取り組んでいるが、多くの業界観測筋は、22年に政府が行った暗号資産凍結を、暗号資産の利用に反対する動きとして捉えている。

●ドイツ

 ドイツの暗号資産投資家は、ビットコイン(BTC)あるいはイーサリアムを1年間保有した後に売却する納税者は税金が免除される、というドイツ財務省の暗号資産税に対する解釈を歓迎している。財務省は引き続き暗号資産税に取り組んでいく意向で、現在は協力と記録義務に関する補足文書が作成されている。

●フランス

 4月に行われた大統領選でエマニュエル・マクロン氏が再選したことで、フランス政府がEU(欧州連合)レベルで暗号資産イノベーションを阻止する措置に反対するとの期待が高まっている。マクロン氏は、27のEU加盟国に暗号資産市場の法的枠組みを提供することを目的とした、EUのMiCA(暗号資産市場規制案)について、「迅速な進展」を支持すると表明している。

●イタリア

 イタリアはドイツが主導するEU加盟国グループの一員で、EUが計画しているマネーロンダリングとテロ資金供与対策の監視機関に、暗号資産事業の監視に関する権限を与えることを望んでいる。EUはG7の「非正式加盟国」である。

●日本

 日本の暗号資産投資家は、岸田文雄大統領が最近、メタバースやNFT(非代替性トークン)関連の開発を含むWeb3関連の発展は、今後の国の成長戦略の一部となると述べ、英国のビジネスリーダーにこのプロジェクトを支持するよう呼び掛けたことから、楽観視する理由を見出している。

●英国

 活発な暗号資産取引所を世界で最も多く抱える国の1つである英国では、英規制機関FCA(金融行動監視機構)の代表らが、暗号資産の規制枠組みに対する協力を強化するよう、国際規制当局に呼びかけた。ただし、業界を過度に規制してイノベーションを阻害しないよう注意を促している。

●米国

 ジョー・バイデン大統領は、近い将来、暗号資産およびCBDC関連の新たな大統領令に署名すると予想されている。一方で、米規制当局SEC(証券取引委員会)が最近、暗号資産に特化した職員を倍増すると決定したことで、暗号資産投資家の間では、今後起こり得る規制強化への懸念が高まっている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/g7-keeps-pushing-for-crypto-regulation-heres-whats-already-happening.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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