世界の保険会社、リスク志向の投資方針で暗号資産投資に関心

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 ゴールドマン・サックス・インシュランス・アセット・マネジメントの報告書によると、世界の保険会社はリスク志向の投資アプローチを維持しようとしており、プライベートエクイティ、グリーンボンド、中小企業向けローンだけでなく、暗号資産(仮想通貨)への配分も高めている。

 この調査では、世界のバランスシートの13兆ドル以上を手掛ける328人のCIO(最高投資責任者)とCFO(最高財務責任者)の見解が示された。

 「以前とは完全に反対で、保険会社はインフレ率の上昇と、金融政策の引き締めをポートフォリオに対する最大の脅威と捉えている。賃金と雇用が堅調に増加する中、パンデミック時代の金融緩和政策が解除され、利上げが最大の関心事となっている」とレポートは主張している。

 ゴールドマン・サックスの資産運用部門で保険資産管理・流動性ソリューション事業のグローバル責任者を務めるマイク・シーゲル氏はこの調査結果について、世界の保険会社は暗号資産への関心高めているとコメント。

 同氏は、「今回、初めて暗号資産について調査したが、回答者はいないと思っていた。しかし、驚いた。業界の回答者のうち6%が、暗号資産に投資しているか、投資を検討していると回答した」と述べた。

 シーゲル氏によると、暗号資産に投資している企業(2%)、あるいは暗号資産への資産配分を検討している企業(4%)は、市場やインフラについてより理解したいと考えているという。

 「しかし、もし暗号資産が取引可能な通貨になった場合、保険会社は将来的に暗号資産で保険契約を締結できる能力を持ちたいと考えている。そして、ドルや円、ポンドやユーロで行うように、暗号資産での保険料の受付を望んでいる」という。

 また、米国の保険会社はより高い関心を示していることもわかった。米国の保険会社のうち11%が現在暗号資産に投資している、あるいは投資を検討しているのと回答したのに対し、アジアではこの割合は6%、ヨーロッパでは1%だった。

 しかし、暗号資産投資で期待される収益性については、まだ見解が分かれている。暗号資産は、今後12カ月間に最も高いリターンと、最も低いリターンが見込まれる資産クラスの両方でトップ5に入っている。

 それでも、回答者の1%が、今後12カ月間に暗号資産への配分を増やす予定だと回答。7%が現在の配分を維持する予定だと述べ、売却を予定しているものはいなかった。

 ゴールドマン・サックス・インシュランス・アセット・マネジメントのデジタル資産担当グローバル責任者であるマシュー・マクダーモット氏は、「暗号資産市場が成熟し続け、規制の確実性も高まる中、さまざまな機関が投資機会を探ることに自信を深めているとともに、基盤となるブロックチェーン技術の破壊的影響を認識している。私は、この市場の可能性を明確に認識しているグローバルな資産運用企業が採用を増やしていることに、うれしい驚きを感じている」と述べた。

 回答者が強調した主なマクロ経済リスクとしては、インフレが28%、米国の金融引き締めが20%、信用と株式市場の不安定さが18%、米国とヨーロッパでの経済減速・後退がそれぞれ16%と5%となった。

 投資の不確実性は依然として強いものの、22年の回答者は20年および21年の回答やよりも楽観的であり、63%が投資環境は変わらないか、改善していると述べた。

 同社によると、「プライベート市場への関心が継続して見られるように、回答者は依然として利回りを高める資産クラスに注目している。22年に再投資率が上昇し始めたものの、保険会社はリターンをもたらすものとして、オルタナティブ投資に引き続き関心を示した」という。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/global-insurers-start-investing-in-crypto-amid-risk-on-investment-approach.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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