米SEC、BNBトークン巡りバイナンスを調査

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 人気暗号資産(仮想通貨)企業のバイナンスは現在、バイナンスコイン(BNB)を巡って米SEC(証券取引委員会)の調査を受けている。SECは、17年7月のIOC(イニシャル・コイン・オファリング、暗号資産技術を使った資金調達)時に、バイナンスコインが証券であったかどうかを調査している。SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、証券として分類されるトークンを取り扱うプラットフォームについて、常に声を上げてきた。リップルも20年から同様の調査を受けている。SECは、リップルが違法なXRP(XRP)を販売したと指摘。それ以降、数々のドラマが繰り広げられ、裁判では興味深い出来事が多数起こっている。

●SECがバイナンスを調査

 この件に詳しい人物によると、SECはこの調査に関していかなる結論にも達していないという。SECによる調査の報道を受け、バイナンスコインは4.66%下落し、1BNB=293ドルとなった。同トークンは21年に急成長を遂げ、現在は時価総額で5番目に大きな暗号資産となっている。

 バイナンスの米国部門バイナンスUSも、SECの調査を受けている。バイナンスUSがバイナンスから独立して適切に運営されていることを確認するためだという。さらに、CFTC(米商品先物取引委員会)も、バイナンスが米国居住者に同社プラットフォームでの取引を許可したかどうかについて、調査を行っている。

●ロイターの調査報告書、バイナンスが5年間にわたり暗号資産犯罪を促進したと指摘

 さらに、ロイター通信は、バイナンスが数年間にわたり暗号資産犯罪を促進したとする調査報告書を公開した。報告書によると、バイナンスは17年から21年にかけて、投資ファンド、ハッキング、違法薬物の販売を支援した。この5年間で、詐欺師やハッカー、麻薬密売人はバイナンスを通じてマネーロンダリングを行い、少なくとも23億5000万ドルの不正資金がバイナンスで処理されたという。この数字は、裁判記録、法執行機関の声明、ブロックチェーンデータを基に算出している。また、2人の業界専門家が計算方法を検証し、確認している。

 「ラザルス」と呼ばれる北朝鮮のハッキング集団は、同国の核兵器プログラムの資金調達を目的としたサイバー攻撃を実行した。ハッカーは、スロバキアの暗号資産取引所Eterbaseから約540万ドル相当の暗号資産を盗むことに成功。攻撃の数時間後、ハッカーは盗んだ資金を変換するため、バイナンスで少なくとも24の匿名口座を開設した。これにより、資金の流れも隠すこともできる。ラザルスは9分間でバイナンス口座を開設し、Eterbaseから盗んだ資金を移動させた。

 現在に至るまで、Eterbaseは盗まれた資金を見つけることも、回収することもできていない。同取引所共同創設者のロバート・オクスト氏は、口座が匿名だったため、バイナンスは資金を送金した犯人を特定することができなかったと指摘している。

 チェイナリシスは20年の報告書で、バイナンスに流入した犯罪資金は19年だけで合計7億7000万ドルに上ると分析している。米国政府は不正な資金の流れを追跡するため、チェイナリシスと連携している。チェイナリシスは報告書の中で、19年、バイナンスはすべての取引所の中で最も多くの犯罪資金を処理したと指摘している。バイナンスCEO(最高経営責任者)のチャンポン・ジャオ氏はこれに対し、「ビジネスマナーがなっていない」としてチェイナリシスを非難した。

 興味深いのは、バイナンスが今回の調査に備えていたということだ。バイナンスは数千万ドルをかけて、120人以上のセキュリティ・業界専門家などを含む、世界最高のサイバー調査チームを世界中から雇用している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/binance-sec-investigation-bnb-token/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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