SEC委員長が暗号資産法案に懸念示す一方、CFTC委員長は称賛

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 米SEC(証券取引委員会)のゲイリー・ゲンスラー委員長は、カースティン・ギリブランド議員(民主党、ニューヨーク州)とシンシア・ルミス議員(共和党、ワイオミング州)が最近発表した包括的暗号資産(仮想通貨)規制法案を好ましく思っていない一方で、CFTC(商品先物取引委員会)のロスティン・ベナム委員長は法案に満足しているようだ。ゲンスラー委員長によると、このような法案は資本市場全体に影響を与え、その保護を「妨げる」恐れがあるという。対して、ベナム委員長はこの法案について、「非常に良い仕事をしている」と評価した。

 両議員は6月上旬、暗号資産について包括的にまとめた暗号資産法案を公開。両議員は同法案について、暗号資産の完全な規制枠組みを構築すること目的とした、「画期的な超党派の法案」であると説明している。また、この法案は、金融イノベーション、柔軟性、透明性、消費者保護を強化するものだと主張した。

 法案では、200ドル以下のすべての暗号資産取引を課税対象外にするとしている。また、CFTCが暗号資産の監督を担当するべきだとした。暗号資産企業に対しては、ユーザーが判断を行う前に情報を十分に提供するよう要請している。「責任ある金融改革法」と題されたこの法案は、暗号資産市場の改革を目的としている、と両議員は主張している。

●SEC委員長、CFTC委員長が称賛した暗号資産法案に懸念示す

 ゲンスラー委員長は、ウォール・ストリート・ジャーナル主催の「CFOネットワーク・サミット」で、法案に対する自身の見解を明らかにした。暗号資産領域におけるCFTCの権力範囲を拡大する同法案について、CFTC委員長が前向きな見方を述べた直後、ゲンスラー委員長は不快感を表明した。ゲンスラー委員長は法案について尋ねられた際、提案した議員らと直接話し合いたいと述べた。続けて、暗号資産法の改正は、投資信託や証券取引所にも影響を与え得ると指摘。SECとしては、一般市民からお金を生み出す企業を監督するという役割を引き続き果たしていく意向であるとした。ゲンスラー委員長は次のように語った。

 「率直に言って、もしこの法案に背を向けることができるなら、100兆ドル規模の資本市場にある保護を妨げたくないと思っている。現在の証券取引所、投資信託、上場企業が、うっかり署名ひとつで、『あのさ、私も規則を守りたくないんだ。体制から外れたい』と言ってしまうようなことは、誰も起こってほしくない。この体制は、過去90年間、投資家と経済成長にとってかなりの利益となってきたと私は思っている」

 ゲンスラー委員長が、この法案は市場規制を弱体化させかねないと考えている一方で、CFTCのベナム委員長はこの提案に信頼感を示した。ベナム委員長は、CFTCが暗号資産領域を担当すべきだとする法案に納得している。同委員長は、CFTCが暗号資産に対する権限を持つべきだと提唱してきた。CFTCが暗号資産規制を担うことになった場合に実行しようとしていることについて、ベナム委員長は次のように述べた。

 「われわれがしなければならない最も厄介なことの1つは、コモディティと証券との間の線引きだ。彼ら(SEC)は非常にうまくこれに対処していると思う」

(イメージ写真提供:123RF)

https://www.coinspeaker.com/sec-chair-crypto-regulatory-bill-cftc/

This story originally appeared on Coinspeaker.

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