バンコール、「厳しい市況」を理由に保護メカニズムを一時停止

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 DeFi(分散型金融)プロトコルのバンコール(BNT)が、「厳しい市況」を理由にIL(変動損失)保護メカニズムを一時停止したと語った。

 20日に公開された発表の中で、バンコールの運営チームはIL保護を「一時的に停止」したと述べる一方、「市場が安定すれば」元に戻すと約束した。

 また、この発表によると、「現在攻撃は受けておらずこのプロトコルの資金は安全」であり、残っているユーザーは引き続き利息を獲得し、「IL保護が再稼働すれば完全に保護された価値を引き出すことができる」という。

 IL保護を一時停止した理由については、「操作的とは言わないまでも異常な活動」がデータ上で観測された、と述べている。

 この発表ではさらに、この問題の責任の一端は、バンコールv2.1に長年流動性を提供していたという「2つの巨大な中央集権型機関が最近破産した」ことにあるとしている。

 「負債をカバーするためにこれらの機関は保有するBNTを急速に清算し、システムから大量の流動性を引き出した。一方で、外部の取引所では未確認の機関がBNTの売りポジションを大量に持った」という。

 この発表では、機関の名称は明らかにされなかった。

 「BNT報酬ダンピングの最悪の部分は過ぎ去った」ことをオンチェーンのデータが示唆している、と同社は付け加えた。

 同チームはまた、この一時停止によって同プロトコルに「息を整え回復する余地」が与えられることを期待していると述べた。同プロトコル上での取引は有効なままで、預け入れは中断されているという。

 暗号資産コミュニティでは、バンコールのIL保護の仕組みに対し疑念の声を上げる人々もいる。

 バンコールは、他の多くのDeFiプロトコルで一般的なトークンのペアではなく、1種のトークンのみをステーキングすることで利回りを得ることができるDeFiプロトコルだ。(通常時は)変動損失に対する完全な保護を提供することでも、他のプロトコルとの差別化を図っていた。

 同プロトコルのネイティブトークンであるBNTは、UTC(協定世界時)20日9時30分時点で1BNT=0.508ドルで取引されており、24時間では4.4%上昇、1週間では50%下落している。

●他のチームも保護的措置講じる

 ・米国の暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームであるボイジャー・デジタルは、「ボイジャーにさらなる資本へのアクセスを提供する回転信用供与枠」について、暗号資産取引会社アラメダ・リサーチと契約したと発表した。ボイジャー・デジタルは発表の中で、この信用枠は「現在の市場ボラティリティに照らして顧客資産を保護」するためのものだと記した。

 ・ビットコイン(BTC)マイニング会社のビットファームズは、ビットコインに特化した金融サービス会社NYDIGから初期資金3700万ドルでマイニング機器用の融資契約を結んだ。ビットファームズのジェフ・ルーカスCFO(最高財務責任者)は発表の中で、「暗号資産のマクロ経済的困難の中、財務上の流動性と柔軟性を高める」ためにこの取引を行った、と述べた。

 ・暗号資産取引会社ジェネシス・トレーディングのマイケル・モロCEO(最高経営責任者)は、自社が「今週マージンコールに応じなかった大口取引先との損失を緩和した」ことを明かした。同氏はどの「大口取引先」かは明らかにしなかった。

 ・ステーブルコインのダイ(DAI)を発行するDeFiプロトコルのメーカーDAO(MKR)が、アーベ(AAVE)D3M(ダイレクト・デポジット・モジュール)を無効にしたと発表した。メーカーDAOは「リスク・コア・ユニットの勧告で投稿した緊急シグナル・リクエストによると、これはメーカー・プロトコルへの潜在的な許容できないリスクに対する予防措置だ」とツイートした。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/bancor-pauses-protection-mechanism-due-hostile-market-conditions.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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