米韓の捜査当局、仮想通貨犯罪で協力へ UST騒動が背景か

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●韓国と米国が仮想通貨関連の捜査で協力

韓国法務部は5日、韓国と米国の捜査当局が暗号資産(仮想通貨)関連犯罪への対応力強化のため協力することになったと発表した。

このことはハン・ドンフン法務部長官が、米ニューヨーク南部連邦検察庁を訪問して決定したもの。同長官は、証券商品タスクフォースの共同チーフアンドレア・ギリシャウルド氏、証券商品詐欺タスクフォースのチーフであるスコット・ハートマン氏と面会した。

この際に、両国の捜査機関(特に、韓国ソウル南部地方検察庁とニューヨーク南部連邦検察庁)の協力方案を議論し、仮想通貨関連犯罪など国際的な犯罪について実質的に協力することで合意した格好だ。

特に、現在両国が捜査中の仮想通貨事件に関して、米連邦検察が確保した捜査資料を迅速に共有することが提案されたという。

●背景

「捜査中の仮想通貨事件」について詳細は語られていないが、今回の協力はディペッグを起こしたステーブルコインTerraUSD(UST)を提供していたTerraform Labsの捜査を念頭に置いたものだと考えられる。

米証券取引委員会(SEC)は、Terraform Labsが開発した合成資産プラットフォーム「Mirror Protocol」に関して調査を行ってきた。米国の投資家もアクセス可能なこのプラットフォームについて、未登録で証券の販売・提供をおこなっている疑いがあるとしている。UST提供が投資家保護規制に違反していたかどうかについても調査している模様だ。

Terraform LabsはSECには管轄権がないとしていたが、この申し立ては6月、ニューヨーク南部地区裁判所で却下された。このことは、Terraform Labsが米国での責任も問われることを示唆するものだ。

●韓国では本格的捜査が進行中

韓国の検察当局は、USTの急落を巡り本格的な捜査を開始しており、Terraform Labsの全従業員を調査対象としている。共同設立者Do Kwon氏を始めとする関係者が、LUNAとUSTの設計に欠陥があったことを知りながら放置していたかという点に注目しているという。

現地メディア「JTBC」によると、捜査当局は開発者や元従業員らに対して、捜査を続けるための出国禁止命令を出している。

米国では6月、Terraform Labsとその関連企業に対する集団訴訟も起こった。

訴状によると原告は、Terraform Labsが、TerraUSD(UST)とその関連トークンLUNAの安定性について虚偽の陳述をして、投資家に購入を促したと主張している。

また、Terraform Labsが提供していたトークンは「証券」の特徴をすべて備えているにもかかわらず、SECに登録されていなかったとも申し立てた。このために、原告代表および同様の立場にある他のすべての人のために、トークンの購入価格の金銭的価値返還と弁護士報酬を求めている。

(イメージ写真提供:123RF)

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CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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