ポルトガルの銀行、「リスク」を理由に暗号資産取引所へのサービス提供を停止

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 ポルトガルの複数の銀行が、「リスク管理」関連の理由から暗号資産(仮想通貨)取引所の口座を閉鎖し始めており、同国の中央銀行はこれら金融機関に賛成しているようだ。

 ポルトガルはここ数年、暗号資産関連の利益にキャピタルゲイン税を課していないことから、クリプトヘイブンとしての評判を獲得してきた。しかし、この数カ月間、同国の政府と金融部門は、他のEU(欧州連合)諸国と同様に、暗号資産を規制することに意欲的になっているようだ。

 メディアExpressoとJornal de Negocios、ブルームバーグによると、BCP(Banco Comercial Portugues)、Banco Santander、Caixa Geral de Depositos、BiG、Abancaなどの大手銀行が、少なくとも4つの国内暗号資産取引所に属する口座を閉鎖したとのこと。

 取引所はすべて、国内の暗号資産取引プラットフォームを監視するポルトガル銀行(中央銀行)に登録されている。これら取引所のうち3つは、Criptoloja、Mind The Coin、Luso Digital Assetsで、残り1つは匿名を希望している。

 ポルトガル銀行のマリオ・センテノ総裁は、金融機関は好きなようにふるまう権限を持っていると考えているというが、「この件を監視している」とも話している。

 ポルトガル銀行は、次のように説明した。

 「このような場合における銀行口座の開設やサービス継続の判断は、各銀行が実施するリスク管理方針による」

 ポルトガル銀行は取引所に対する監督として、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策を講じているかを確認している。追加の暗号資産規制はまだ策定されていない。

 BCPはブルームバーグの取材で、「『疑わしい取引』を確認した場合は管轄官庁に報告するのは義務であり、特定の事業者との銀行関係の終了を決定することもある」と述べた。

 一方、Santander広報担当者は、通常は「リスクに対する認識に従って行動」し、口座の閉鎖、開設、維持の決定は「複数の要因」によって異なると説明した。

 Criptolojaは、必要なマネーロンダリングプロトコルを常に遵守してきと主張し、次のように述べた。

 「私たちは今、取引所を運営するためにポルトガル国外の口座を使用することに頼らざるを得ない」

 Mind The Coinは、自社の口座が22年に入って閉鎖され、他の国内金融機関で口座を開こうとしたが、うまくはいかなかったと話している。Luso Digital Assetsも、同様の状況を報告した。

 Mind The Coin創設者のペドロ・ギマランイス氏は、「公式な説明はないが、一部の銀行は暗号資産企業と一緒に働きたくないと言うだけだ。今、ポルトガルで暗号資産ビジネスを始めるのはほとんど不可能だ」と嘆いている。

 22年4月、スペインの税理士は、暗号資産を保有するスペイン人が、暗号資産関連の利益に対する課税を回避するためにポルトガルに「逃避」していると報告していた。この税理士らは、スペインが暗号資産部門に対する規制を強化しているため、同国は「暗号資産砂漠」になる寸前であると警告していた。

 しかし、その後ポルトガルの状況は変わり、政府は規制を行う決断に至ったようだ。5月に暗号資産関連税の賦課を提案する2つの法案が国会で否決されたが、いずれも少数野党から出されたものだった。与党が独自の法案を策定する可能性は高く、近々共和国議会に提出されるとの見方もある。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/portuguese-banks-stop-offering-services-crypto-exchanges-citing-risk-as-rationale.htm

This story originally appeared on cryptonews.com.

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