ダイ(DAI)を米老舗銀行の協調融資で運用、MakerDAOが正式発表

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●約136億円のDAI融資枠

DeFi(分散型金融)レンディング大手のMakerDAOは、米国の老舗銀行ハンティンドン・バレー・バンク(HVBank)と共同融資事業を開始することを正式に発表した。

MakerDAOは、伝統金融の金融機関同士が折半して融資する「シンジケートローン」に進出。HVBankが組成するローンに、約136億円(1億ドル)相当のステーブルコイン「ダイ(DAI)」の融資枠を設けている。

HVBankは、事業と投資活動を拡大するためにDAI融資枠を利用でき、MakerDAOは伝統金融の債券マネージャーを介してカウンターパーティーリスクを分散しつつ、保有するDAIの運用利回りを得ることができる。

MakerDAOにとってHVBankとの共同融資事業は、DeFiの枠を超えてDAIの運用先を拡げる取り組みの足がかりとなる。本発表についてMakerDAOは、「分散型金融と現実世界の金融を結びつける取り組みの潜在能力を見据える、決定的な機会」と強調した。

https://twitter.com/MakerDAO/status/1562045115828412417

●ステーブルコインDAI

仮想通貨担保型のステーブルコインで、主にイーサリアム・ブロックチェーン上で発行されているERC20規格のトークン。米ドルの価値と連動しており、1DAI≒1ドルを維持するよう設計される。

DAIの時価総額は約9,400億円(69億ドル)に上り、ステーブルコイン分野で時価総額4位を誇る(執筆時点)。データサイトDeFillamaによると、DAI発行時に担保資産としてMakerプロトコルにロックされた総資産価値(TVL)は1.1兆円(81.5億ドル)と、DeFiプロトコルでトップの規模である。

MakerのTVLの40%強は米ドル・ステーブルコインのUSDCoin(USDC)であるため、制裁措置の影響が懸念されたが、過去30日間のTVLの変動幅は-2.31%と安定している。

8月初旬には、米財務省が犯罪資金の洗浄に使われているとしてトルネードキャッシュを制裁対象に指定。これを受けてUSDCの発行元である米サークル社が、制裁リスト上にあるトルネードキャッシュのUSDCプールを含むアドレス上の資産を凍結した。

MakerDAOの共同創設者がソーシャルメディア上で、DAIの担保資産からUSDCを除外することを検討する考えを示す一幕も見られた。

(イメージ写真提供:123RF)

https://coinpost.jp/?p=380005

CoinPostに掲載された記事を、許可を得て転載しています。

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